兵庫県保険医協会

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専門部だより

環境・公害対策部だより

2010年「公害なくせ!兵庫県実行委員会」で県知事に要求書提出

2010.12.01

 協会も参加し、県下の環境団体で作る「公害なくせ!兵庫県実行委員会」は、12月兵庫県知事宛てに要求書を提出。協会が提出した要求書は下記の通り。
 今後、県の回答を受け、懇談を実施する予定。


2010年「公害なくせ!兵庫県実行委員会」知事要求書(案)

兵庫県知事
 井戸 敏三 様
 

                団体名 兵庫県保険医協会
                 連絡先 神戸市中央区海岸通1-2-31

                 代表者名 理事長 池内 春樹

 

 環境を守り、公害をなくすために、住民のいのちと健康を守る開業医団体の立場から、下記の要求を提出します。
 誠意ある文書回答と団体交渉の場を設定されるよう要求します。

1.石綿(アスベスト)禍の実態把握、被害者ケアの実施
 機械メーカー「クボタ」の旧神崎工場から出された石綿(アスベスト)により、工場労働者、周辺住民など多くの死者が出た。国は石綿による健康被害を以前から知っていたにも関わらず、使用制限などの措置を講じてこなかった。「石綿新法」では、救済対象となる疾病の範囲が制限されていることや、労災と比べ補償内容が不十分であるなどの問題点がある。またクボタは、アスベストと中皮腫などの因果関係を認めず、「救済金」によって責任を回避しようとしている。しかし、石綿禍での国、企業の責任は明白である。
 県は、国に対して、法整備など全ての石綿被害者・遺族に対し十分な補償を行うことを、クボタなど県内加害企業に対しては、住民健診など実態把握に努めることを求めること。 
県の新行革プラン2次案で、県が担う石綿分析調査などの業務の一部が財団法人に移管される方針が打ち出された。従来通り県の責任で調査研究をさらに強化すること。
県独自で、住民への無料中皮腫健診など周辺住民、石綿被害者・遺族へのケアを行うこと。
また、95年の阪神・淡路大震災においては、建物の倒壊、瓦礫集積、野焼きなどによりアスベストが撒き散らされた可能性が高い。瓦礫処理業務、野焼き業務に携わった方々、ならびに瓦礫集積場、野焼き現場周辺住民のアスベスト健診の実施を希望する。また、将来のアスベスト被害発生にそなえ、大震災発生時の在住県民に「在住証明書」を発行すること、解体作業従事者やボランティアの掘り起こしにつとめ、彼らにも同様の措置を講ずることを求める。

2.武庫川流域の環境保全
2010年9月16日武庫川流域委員会が終結し、河川整備計画の改訂版ができた。この「原案の改訂版」にもとづき、ダムに頼らない新しい、総合的な治水、利水、環境、そしてまちづくりをも視野においた流域管理をめざすこと。また、「減災対策」においては、第一に人的被害の回避・軽減を図ること、第二にライフライン等守るべき機能を明確にすること。つまり、住民を主体にした自助、さらに共助、行政の担う公助をうまく組み合わせたシステムを可能な限り早期に実現することを要望する。

3.尼崎大気汚染裁判の和解内容の実施
 尼崎大気汚染裁判の和解確認にもとづいた道路公害根絶の対策、とりわけ環境ロードプライシングなど阪神高速神戸線と国道43号線での大型車の削減に理解を示し協力すること。沿道付近の住民の健康調査を行うこと。

4.道路公害の防止
 阪神高速神戸線、阪神高速湾岸線、両線間の連絡一般道路、空港アクセス道路、周辺の大気汚染状況が悪化しており、迂回道路の設定、見直し、など必要な対策を総合的に行うこと。
阪神高速湾岸線の西伸計画は、県南部、湾岸部の交通集中を加速するだけであり、かえって大気汚染を加速する可能性がある。阪神高速神戸線、北神戸線との接続システムの見直しなどで充分対応できるので、中止すること。

5.加古川周辺の煤じん公害対策の強化
  神鋼加古川工場の貯炭及びコンベアからの降下煤じんの密閉化がきちんとなされているか、監督・指導すること。

6.神鋼神戸製鉄所に対する指導強化
 神鋼神戸発電所の電源バックアップ用石炭炊き自家発電2号ボイラーを廃止させること。
 一部自社施設でのみ公開している施設関連環境汚染物質データのリアルタイムな情報をインターネット上でも公開するよう指導すること。灘浜サイエンススクエアでの公開は24時間見ることさえ出来ず、記録も取れず、現地で確認することしかできないなど、非常に不適切なものである。
 現在、神鋼と神戸市の2者で締結している環境保全協定を市民、住民を加えた3者協定にするよう、県として指導すること。
 神鋼神戸発電所の建設時の環境影響調査予測との相違を2010年には分析することとされている。 科学技術の進歩した現状に見合うような充実した環境影響評価を神鋼神戸発電所に実施するように求めること。 環境影響が予測される地域において呼吸器機能検査を取り入れた住民健診を実施すること。 学童の就学時健診、例年実施されている学童健康調査・健診におけるデータを個人情報保護の精神を踏まえながら出来る限り公開し、調査活動に活用するようにすること。

7.重金属、化学物質を取り扱う工場の汚染対策
 日本テルペンの土壌汚染の例を見るまでもなく、重金属や化学物質を扱う全ての工場に対し、自社施設内といえども環境汚染を起こさないように強く指導すること。
 同様の工場の敷地、跡地利用に際しては、土壌汚染を実施し、その結果を待ち、情報公開した後、作業に取り掛かるように指導すること。
 
8.地球温暖化対策
公共建築物、準公共建築物への太陽光発電システムの設置義務化など、自然エネルギー利用促進を強化すること。太陽光発電以外の自然エネルギー、代替エネルギーへの助成も推進すること。

9.ゴミの分別処理過程の公開
 分別され回収されたゴミの処理過程を明らかにし、リサイクルの実態を明確に示すよう、市町村に指導すること。
以上

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