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保団連公害視察会 参加記 福島原発事故 被害の重さ実感

2011.11.25

 保団連は、10月15日~16日に公害視察会を実施。全国から68人が、福島県の福島市と飯舘村を訪れ、東日本大震災と福島第一原発事故の被害状況を視察した。兵庫協会から、池内春樹理事長、林祐介副理事長、森下順彦理事、山田旺評議員が参加した。林先生の感想文を紹介する。

fukusima.JPG  15日、「国策による災難『原発震災』謝れ、償え、なくせ原発」とのテーマで、現地福島からの報告を、伊東達也原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員から伺った。
 福島第一原発事故は、世界で初めての「原発震災」で日本史上最大最悪の災害であり、苛酷事故と原発震災は想定されていたのに東電は対策をとらなかったということだ。
 また「安全神話」により、県民が放射線の共通認識を持てなかったこと、「復興」はおろか「復旧」さえ困難なことなどを学んだ。日本は地震の活動期に入っているので、福島で起こった苦難は全国どこでも起こりうるということだ。
 続いて「『お金の世界』から『いのちの世界』へ」と題して、福島県相馬郡飯舘村村長である菅野典雄氏から特別報告があった。
 約6000人が暮らす飯舘村は、事故で計画的避難区域に指定された。この村は循環社会をつくろうと10年計画をたて、7年目に入ったところだった。
 スローガンは「までい(真手)ライフの飯舘村」―「までい」とは両手の意味だ。手間ひま惜しまず丁寧に、心をこめてつつましくという意味で、現代ふうにいえばスローライフ。今原発から再生可能エネルギーへの転換に、もっとも必要なものかもしれない。
 16日、バス2台で飯舘村へ。飯舘村の標識を過ぎると人の姿を見なくなった。
 村役場に到着してバスを降りると、大きな放射線量の標識が設置され、2・54マイクロシーベルト/時を表示。各協会から持参した線量計にて測定をする。6マイクロシーベルト/時を示すところもある。
 その後、村営書店「ほんの木いいたて」に行くが、今は書棚には本はなく、ダンボールの中に片付けられていた。
 続いて、特別養護老人ホームを見学する。このホーム内は放射線量が比較的低く、他に避難する高リスクを考慮して、介護を必要とする老人が避難せず生活している。また、村内をパトロールしている住民の車も見かけた。24時間3交替で毎日行っているそうだ。
 菅野村長は「2年後には村に帰る」と言う。大変重い言葉だ。今、村長はゼロの位置まで村を戻すのに全身全霊を費やしている。まだ村の放射能の除染は始まっていない。飯舘村が震災以前の美しい村に戻るのを祈りつつ、計画的避難区域が解除されたら、また訪れることを誓って、村をあとにした。
 参加者全員で速やかな放射能除染、住民被害の全面賠償、原発からの撤退とエネルギー政策の転換を求めるアピールを採択し、閉会した。
【西区・歯科 林 祐介】

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