兵庫県保険医協会

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安倍内閣の原発推進政策、新「規制基準」に抗議声明

2013.07.05

 協会は6月22日理事会で、下記2つの声明を採択し、首相官邸、原子力規制委員会ら関係機関に送付した。

2013年6月22日
内閣総理大臣 安倍 晋三 様


 安倍内閣の原発推進政策に抗議する

 兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

 安倍内閣は6月14日、閣議決定した成長戦略に「原子力発電の活用」を明記し、原発の再稼働と海外輸出の推進を盛り込んだ。すでに、安倍首相はトルコやアラブ首長国連邦、サウジアラビアなど各国で原発技術を「世界一安全」などと宣伝し、インドとは、原子力協定の締結交渉促進で合意している。
 2年前に起きた福島第一原発事故はいまだに収束の目途すら立たず、15万人以上の住民が避難を続けており、事故原因の究明も行えていない。昨夏、国民に対し政府が行った2030年のエネルギーに占める原発比率に関するパブリックコメントには約89000件の意見が出され、その87%が原発ゼロを提示した。こうしたなかでの原発再稼働は許されるべきものではない。ましてやその技術を海外に輸出するなど以ての外である。成長戦略とすべきは放射能汚染物質の拡散防止技術や回収技術、核廃棄物の安全処理技術や原発の廃炉技術の開発であり、放射能汚染環境の身体への影響調査であり、省エネ、節エネ、エネルギーの効率利用、再生可能エネルギーの拡充などを柱にした原発に頼らないエネルギー政策の推進、実行であろう。
 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、安定処分できない危険な核廃棄物を産生し続ける現在の原子力発電所について、再稼働も輸出も到底容認することはできない。安倍政権が脱原発実現に向けたプロセスを決定し、循環型社会の創生を目指すことを求める。

 


2013年6月22日
原子力規制委員会委員長 田中 俊一 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様


再稼働ありきの新「規制基準」決定に抗議する

 兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

 原子力規制委員会は6月19日、地震・津波対策、重大事故への対策などを求めた新「規制基準」を決定した。
 今回決定された新基準は、安倍内閣の「安全性が確認された原発の再稼働」との方針に従い、たった7カ月で拙速に作られている。
 内容を見ても、加圧水型軽水炉へのフィルター付きベント設置、第2制御室の開設などの種々の安全対策に5年間の猶予期間が設定され、「難燃ケーブルの使用」に対して効果の不安定な延焼防止剤の既存ケーブルへの塗布で対応済みとする可能性があるなど、安全対策が先延ばしになっている。地震、津波想定に関する具体的数値には定めがなく、その試算を電力会社が行うというお手盛りぶりも見受けられる。また、原発の運転期間も40年の原則を超え60年まで運転延長を認めており、老朽化の危険性について充分検討されているのかも疑問である。
 7月の「規制基準」施行後、関西電力高浜原発や四国電力伊方原発など全国の多数の原発の安全審査申請が予想されると報道されているが、福島第一原発事故は収束しておらず、事故の原因究明もできていない。
 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、新「規制基準」の決定に抗議し、「東京電力福島原子力発電所事故の教訓に学び、二度とこのような事故を起こさないために」という原子力規制委員会の組織理念にのっとり、再稼働ありきでない「規制基準」の策定を求める。
                           

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