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主張 尼崎公害訴訟協議が終結 成果受け継ぎ青い空実現を

2013.07.25

 尼崎大気汚染公害訴訟の和解条項実現について協議してきた原告団と国、阪神高速道路株式会社が6月13日、協議終結に合意した。
 この訴訟は、自動車排ガスの差し止めなどを求め、尼崎の公害患者・遺族498人が1988年と95年に国や企業を提訴したもの。00年に神戸地裁が大気汚染物質の排出差し止めを命じ、その後、国が大型車規制をすすめることで和解するという日本の公害史上でも画期的な結果となった。
 今回の協議の終結は、14年47回にわたり、和解条項実現のため協議を続けてきた結果であり、提訴から25年間にわたり「子や孫に青い空、きれいな空気を」と原告団がねばり強く続けてきた闘いに敬意を表したい。
 この協議によって、料金差を設けて大型車を阪神高速神戸線から同湾岸線に誘導する「環境ロードプライシング」や国道43号を走る大型車に中央寄り車線の走行を促す「環境レーン」の導入が、国内で初めて実現した。また、道路のバリアフリー化として、歩道橋へのエレベーター設置も行われた。
 国土交通省によると、国道43号沿線を通過する大型車は2005年の1日あたり2万6000台から、10年以降は2万台前後に減り、大気汚染物質である二酸化窒素やSPM(浮遊粒子状物質)も減少傾向という。
 一方、協議の終結は、問題の解決ではない。原告団が求め続けてきた交通規制は、渋滞の懸念などがあると実現せず、合意文書には、将来検討すべき課題として「国道43号における『ナンバー規制と車線規制』」などが挙げられている。
 43号線沿道の汚染は以前と比べると改善されているものの、沿道では、二酸化窒素がいまだに環境基準を超えるような高い値を示す箇所が多数存在する。今後、大型ディーゼル車輌の排ガス規制の強化、交通規制などを含めたさらなる対策を、国は実施していくべきである。
 原告らでつくる「尼崎公害患者・家族の会」は、道路公害にとどまらず、尼崎運河のクルーズなどの地域振興にも取り組み、戦争を最大の環境破壊として位置づけて反戦を掲げるなど、運動を大きく展開してきた。協会は「尼崎公害裁判支援の会」に参加するなど支援してきた。
 国は大気汚染環境基準を無理やり緩和し、公害地域指定解除を行い、公害は終わったとしてきた。今、新たに公害認定患者が生まれることはない。しかし、今日においても、尼崎の大気汚染は人々の健康被害を招いている。
 尼崎公害の運動から教訓を学び、築いた成果を受け継いで、命と健康を守るため、今後も環境改善を推し進めていく運動が求められる。
 

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