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姫路市夢前町産廃処分場建設問題 住民アンケート「建設反対」9割

2014.01.27

姫路市夢前町産廃処分場建設問題 住民アンケート
「建設反対」9割

 姫路市夢前町で西日本最大級の安定型産業廃棄物最終処分場建設が民間業者により計画されていることについて、住民へのアンケート調査を行った結果、住民の9割以上が、産廃処分場建設に反対していることが明らかとなった。室蘭工業大学大学院の丸山博教授が、夢前町の住民5942人に調査したもの。
 協会は、安定型産廃処分場は土壌や地下水を汚染し、住民の健康に多大な影響を及ぼすとして、建設許可を認めないよう姫路市に意見書を提出している。
 アンケートで建設計画について「詳しい説明を受けた」との回答はわずか31.7%。またその説明も「自治会から」「建設反対の団体から」が8割を占め、建設業者や建設許認可権をもつ姫路市から説明を受けた住民はわずかだったことが明らかになり、9割超の人々が、自治体は業者の建設申請を「住民の健康と環境を最優先し、受け取るべきではない」と回答し、建設に反対している。
 これらの調査結果から、丸山教授は、住民の建設反対の意見を無視し処分場の建設をすることは、憲法13条の「幸福追求権」や25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」の侵害であるとした。
 また廃棄物行政は廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に基づいて行われるが、同法15条によれば、市町村長は住民の生活環境を保全する義務を負っており、産業廃棄物処理施設による影響を受ける住民の意見を聞かなければならないとされている。
 丸山教授は、アンケート結果と地元住民でつくる「夢前町の自然を愛する会」が中心に集めた反対署名が13万筆を超えたことから、建設計画に反対する周辺住民の意思を尊重し、その計画を白紙撤回することが求められるとした。
 また、ラジオ関西「寺谷一紀と! い・しょく・じゅう」内協会提供コーナー「医療知ろう!」に、夢前町の松浦伸郎先生と丸山教授が出演し、産廃処分場建設問題とアンケート結果について報告を行った。

地元医師の声「行政は住民の声受け止めて」
姫路市夢前町 松浦 伸郎

 姫路市夢前町で計画が進められている産業廃棄物最終処分場の建設計画の問題については当初、自治体、建設業者が一般住民に周知しない形で進めてきました。常識的に考えれば明らかに周辺住民に影響があると考えられる処分場が建設されることに対し、住民の意向を考慮しなくてよいとする姿勢で進められてきたことは、地元の多くの人々に驚きとともに大きな違和感を与えてきました。
 自治体側が、住民の思いを受け止めず、業者よりの姿勢で臨んでいることから、住民の不安感は募るばかりです。
 自治体の廃掃法の解釈が、憲法の保障する基本的人権の尊重や民主主義の根幹である住民の同意等の重要な基本法に反しているのではないかと考えざるを得ません。
 今回の丸山先生の発表でこの素朴な疑問に対する一つの回答が出たような感じがいたします。
 私たちはより良い社会実現のために、産廃施設建設に代わる新しい考え方を創造し、環境社会科学や環境工学・環境医学をベースにした資源循環型社会を作っていく必要があると感じています。

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