兵庫県保険医協会

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空気の汚れ調査結果報告会 幹線道路沿いの汚染はいまだ深刻

2014.02.15

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 協会も参加する空気の汚れ調査兵庫県実行委員会は2月1日、協会会議室で「大気汚染と健康被害問題交流集会―PM2,5とNO₂とCO₂―」を開催し、26人が参加。協会から役員ら9人が参加した。
 調査は昨年6月13~14日に実施されたもので、県内各地の大気中二酸化窒素(NO₂)濃度の測定結果が発表された。極端に汚染のひどい場所は減少傾向にあり、「公害なくせ」の声をあげた市民のねばり強い運動により、自動車排出ガス規制や、エコカーの普及がすすんだ成果である。
 一方、国道43号線沿いをはじめ主要道路の側では、環境基準(40~60ppb)の上限を依然として超えるところが多数残っている。
 今回の調査では昨年に引き続き、子どもの通学路となる歩道橋上にカプセル取り付けも行われ、国道43号線、2号線、高速道路下の歩道橋で汚染が明らかになった。今年の最高値は、昨年と同じく垂水区の高速道路下にかかる歩道橋で、環境基準値を大幅に超える140ppbを観測した。
 協会環境・公害対策部長である森岡芳雄協会理事が「現況の大気汚染と健康被害」と題し講演した。大気汚染により、自律神経系への揺さぶりが起こり、アレルギー疾患が起こること、免疫機能が未熟な小児の気管支ぜん息が発症すること、ディーゼル排出粒子によりスギ花粉症を発症しやすくなるなど、大気汚染と健康被害は密接にかかわっていることを解説した。
 私たちが快適性、利便性を過度に追及した結果、健康破壊、資源浪費、環境汚染を引き起こしているとして、私たちは加害者であり、被害者でもあることを自覚すべきだと訴えた。
 日本科学者会議全国常任幹事の後藤隆雄氏が「PM2,5とNO₂カプセル調査」と題し講演。PM2,5発生の原因などを解説し、PM2,5が高値ならば、NO₂の値も高くなる相関関係があると述べ、NO₂調査を続ける意義の大きさを強調した。
 調査は、県下の大気汚染状況を把握するために県内の公害・環境団体などが実行委員会をつくり、91年から毎年実施しているもの。県内各地から1693個の調査カプセルが集まり、協会でも112医療機関から169個のサンプル協力を得た。 
 同実行委員会は大気汚染の改善に向け調査を続け、自動車交通量規制や環境基準の見直し、環境汚染物質排出規制などを国、兵庫県、神戸市に引き続き求めていく予定。協会も環境・公害対策部を中心に協力していく。

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