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原発推進の「エネルギー基本計画」撤回を求める抗議声明

2014.05.15

 安倍政権は、4月11日、「エネルギー基本計画」を閣議決定したことを受け、協会は4月26日の理事会で下記の抗議文を採択し、内閣総理大臣へ送付した。

2014年4月26日

内閣総理大臣 安倍 晋三 様
抗議声明

原発推進の「エネルギー基本計画」撤回を求める

兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

 安倍政権は、原発の再稼働や核燃料サイクル政策の推進を明記した「エネルギー基本計画」を4月11日閣議決定した。
 東日本大震災・福島第一原発事故から3年が過ぎたが、なお福島県内だけで13万人超の人々が故郷に戻れず避難生活を強いられている。福島第一原発からは冷却水が漏れ続け、環境を高度に汚染し続けており、「収束」にはほど遠い。事故原因の解明も進んでいない。
 「基本計画」は、「コストが低廉で供給が安定している」として、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、「世界で最も厳しい水準の規制基準」に適合した原発の再稼働を進めるとしている。
 しかし、使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理や廃炉、事故の収束にかかる費用やリスク、取り返しのつかない環境汚染を含めれば、原発が実は天井知らずの「高コスト」で、「不安定」な電源であり、事故原因も解明できないまま拙速に作成された新規制基準はアメリカの現行規制基準と比較しても寛容で、到底「安全」とは言えないものである。原発技術の輸出など、論外である。
 日本世論調査会が実施した世論調査(3月1・2日)で、原発の望ましい比率について「即時ゼロ」と「将来はゼロ」をあわせて69%となり、「安全性を確認した原発の再稼働」について「反対」が54%など、「原発ゼロ」は国民多数の願いである。
 また、エネルギーを電気のみに頼ろうとする根本姿勢はエネルギー利用効率の低下を促進するもので問題である。国がエネルギー政策において重点とすべきは、再生可能エネルギーの拡充や省エネ、節エネ、エネルギーの効率利用など、原発に頼らないエネルギー政策の推進である。目先の経済性のみを重視する「基本計画」では、自然エネルギーの具体的数値目標すら盛り込まれなかった。
 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を産生し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。安倍政権が、原発推進の「エネルギー基本計画」を撤回し、原発ゼロ実現に向けたプロセスを決定し、循環型社会の実現を目指すようにすることを求める。

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