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【抗議声明】島根原発2号機の耐震レベル引き下げ提案に抗議する

2016.06.11

2016年6月11日

 

島根原発2号機の耐震レベル引き下げ提案に抗議する

  兵庫県保険医協会

第1040回理事会

 中国電力は5月26日、原子力規制委員会の安全審査会合で、島根原発2号機の発電用タービンなどの耐震クラスを最低レベルに引き下げる計画案を示した。

 今回耐震クラス引き下げ計画の対象となった42設備は、沸騰水型原子炉でつくられた蒸気が通るタービンや復水器などで、原発の安全性に関わる重要な設備である。中国電力は、地震が起こると原子炉から外へ向かう配管の弁が自動で閉まるため、外部の設備が地震で壊れても放射性物質が漏れる危険性は低いと説明している。

 タービンなどはひとたび事故を起こすと放射能汚染のリスクが高く、これまで耐震クラスは設備の重要度に応じた3段階中の2番目だった。災害時に予想外のことが発生することは予期すべきことであり、確実に配管設備が弁により遮断されるとは言い切れない。多重防災の観点から見て、今回の42の設備の耐震クラス引き下げは到底容認できるものではない。

 新規制基準への対応や基準地震動の上方修正で、現状のままでは大規模な耐震工事が必要となり、コストがかかることを理由として、42設備の耐震クラスを最低レベルにしようとする中国電力の姿勢は、最も重要な安全性をないがしろにするものであり、原子力規制委員会ですら認めていない。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を容認することはできない。原子力規制委員の今回の「安全設計の前提を覆す」という批判は極めて妥当なものである。原子力規制委員会には島根原発の耐震クラスの引き下げ計画案を認めないように、中国電力には原発ゼロを求める国民の声に耳を傾け、島根原発の再稼働を断念し、今すぐ廃炉にするよう求める。

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