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【声明】大飯原発3、4号機の再稼働に反対する

2017.06.10

関西電力株式会社取締役社長 岩根茂樹 殿

 

大飯原発3、4号機の再稼働に反対する

兵庫県保険医協会

第1060回理事会

 報道によると関西電力は大飯原発3、4号機について、5月24日に開かれた原子力規制員会の定例会合で、同原発が新規制基準に適合しているとの決定を受け、今秋にも再稼働するとしているが、新規制基準は田中俊一委員長自らが「安全を保障するものではない」と断言している。同原発は2014年5月21日の福井地裁の運転差し止めを命じる判決により停止中である。しかし、関西電力はこの判決を不服として控訴し、現在も名古屋高裁金沢支部で係争している。国民の人格権を尊重した判決を不服として控訴したばかりか、運転差し止めの判決が下された原発を再稼働させようとするのは、司法の良心的決定と、原発に対する住民の不安を無視するものであり、到底容認できない。

 福井地裁での運転差し止め判決は、福島第一原発事故の教訓をふまえ、大飯原発について「安全技術及び設備は、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ちうる脆弱なもの」と指摘し、個人の生命を守り生活を維持するという人格権の侵害の危険性という観点から、原発の稼働は、「憲法上は人格権の中核部分より劣位におかれるべきもの」と述べ、原発再稼働を認めないとした。

 関西電力が主張した、電力供給の安定性やコスト低減については、人の生存に係わる権利と並べ論じるものではないとし、二酸化炭素排出削減に資するため環境面で優れているとする点についても、福島原発事故が最大の公害、環境汚染であるとして、いずれも退けている。

 われわれは関西電力に対し、福井地裁の判断を尊重し、控訴を取り下げ、大飯原発の再稼働を断念するよう求める。またわれわれは、いのちと健康をまもる医療者として、稼働中の原発を直ちに停止し、全原発の廃炉を決断するよう強く求める。

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