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環境・公害対策部だより

【声明】東海第2原発の即時廃炉を求める

2018.06.27

東海第2原発の即時廃炉を求める

兵庫県保険医協会

環境・公害対策部長 森岡芳雄

 原子力規制委員会は、まもなく運転から40年を迎える日本原子力発電東海第2原発(茨城県)に対し、新規制基準に適合することを認める審査書案を近く取りまとめることが、新聞各社で報道されている。

 「原子力発電所は原則40年で廃炉に」というルールは、そもそも福島第一原発事故を受け定められ、「1回だけ、最長20年」という運転延長規定は、電力不足などに備えるために設けられたものである。規制委員会も「極めて例外的」「(認可は)相当困難」と説明していたはずである。原発依存度低減という国民への約束を反故にすることは許されない。

 また、東海第2原発は福島第1原発と同じ沸騰水型原子炉(BWR)であり、同型炉の運転延長申請は初めてである。沸騰水型は原子炉を覆う格納容器が極めて小さく、炉心溶融するとたちまち容器内は高温高圧となり、容器が破損する恐れがある。規制委は、格納容器の圧力逃し装置(ベント)の装着を義務付けるなどとしているが、安全を必ずしも保証するものではない。しかも、東海第2原発は、東日本大震災で緊急停止し、津波によって非常用電源3台のうち1台が停止し、残り2台で冷却を継続してメルトダウンを免れた経緯がある。老朽化している中で被災した原発の再稼働は、非常に危険である。

 原発事故時の避難の点でも、東海第2原発は首都圏の北端に位置しており、避難計画の策定が義務づけられた30キロ圏内には、全国の原発で最多の96万人が住んでいるが、14市町村は避難計画さえ策定できていない。再稼働に必要な地元自治体の同意を得られる見通しも立たず、朝日新聞の最近の有権者調査では再稼働反対が賛成を大きく上回っている。

 また、東海第2原発の運営主体である日本原子力発電は、再稼働に向けての資金繰りが困難な状況下にあり、国の援助を受けている東電から資金援助を受けようとしている。日本原子力発電に原発を稼働させる適格性はなく、東電の資金援助も到底認められるものではない。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療従事者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。原発ゼロを求める国民の声に耳を傾け、東海第2原発の再稼働を断念し、今すぐ廃炉にするよう、政府、日本原子力発電に強く求める。

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