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【声明】福島原発事故により発生した汚染水の海洋放出に向けた取り組みの全てを見直すよう

2018.08.25

福島原発事故により発生した汚染水の

海洋放出に向けた取り組みの全てを見直すよう求める

兵庫県保険医協会

第1080回理事会

 東京電力福島第1原発事故で発生した汚染水について、トリチウム以外の放射性物質が除去しきれないまま残留し、一部の放射性物質については排水の法令基準値を上回った濃度であり、中には半減期が約1570万年の長期に亘るものも含まれていることが報道されている。

 汚染水の処理について、海洋放出が有力な処分方法だとされているが、保管されている汚染水は福島第一原発で約106万トンにも上っている。放射性物質の濃度を下げる装置「ALPS」(アルプス)で処理済みのものはそのうち約89万トンだが、タンクごとの放射性物質の濃度も「調べていない」とされており、海洋放出に向けての準備が進んでいるとは言えない。途方もない半減期を有する放射性物質を含んでいたり、基準値を上回る濃度の放射性物質を含んでいる汚染水を海洋放出したりすることは、2013年9月に原子力災害対策本部が決定した「汚染水問題に関する基本方針」である①漏らさない②近づけない③取り除くという3方針からも大きく逸脱している。

 経済産業省の多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会はトリチウム以外の放射性物質は除去で来ているとして議論を行ってきて、汚染水を減らすため、海洋放出に踏み込んだ提案し、その公聴会を8月末に開くとしている。しかし、トリチウム以外の放射性物質が排出基準以上に含まれていたり、半永久的ともいえる半減期を持つ放射性物質が含まれていたり、個々の貯蔵タンクの実際の残留濃度が測定されていないことが明らかになった以上、公聴会を中止し、改めて委員会での議論を最初からやり直すべきである。こわれわれは、いのちと健康をまもる医療者として、汚染水の削減ありきで、健康被害を軽視し、世界中に放射性物質をばらまく懸念のある汚染水の海洋放出の検討を白紙に戻し、再検討し直すこと、予定された公聴会は即中止することを政府・経済産業省に強く求める。

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