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【声明】電力会社の責任をあいまいにする改定原子力賠償法成立に抗議する

2018.12.12

電力会社の責任をあいまいにする

改定原子力賠償法成立に抗議する

兵庫県保険医協会

環境・公害対策部長 森岡芳雄

 原発事故などが起きた際の賠償の仕組みを定めた改定原子力賠償法が12月5日、参院本会議で可決・成立した。現行法は原子力事業者が支払うべき賠償額(賠償措置額)を最大1200億円と定めているが、今回の改定では賠償額を大幅に引き上げる必要性があったにもかかわらず額は据え置かれた。この改定は事故が起こった際の電力会社、融資した大手銀行、原子力メーカーの責任をあいまいにするものであり、われわれは強く抗議する。

 そもそも福島原発事故の賠償額はすでに8兆円を超え、賠償措置額の70倍以上となっている。除染費用も4兆円に上っており、1200億円で全く足りないことは明らかである。賠償額において事故への備えが十分ではないにもかかわらず、新規制基準に適合した原発の再稼働を急ぐ電力会社や政府の姿勢はあまりに無責任である。

 また、損害が賠償額を超える場合には、政府が「必要な援助を行う」としており、最終的な責任の所在があいまいにされたままである。原発事故が起こった際には「汚染者負担の法則」に則り、電力会社が一義的に責任を負うべきである。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。政府には原発依存から再生可能エネルギーを中心とした政策に転換するよう強く求めるとともに、全ての賠償責任を負う「無過失・無限責任」を電力会社に負わせるよう強く求める。

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