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【声明】女川第2原発の新規制基準適合に抗議し 即時廃炉を求める

2020.03.14

女川第2原発の新規制基準適合に抗議し

即時廃炉を求める

兵庫県保険医協会
第1108回理事会

 原子力規制委員会は2月26日、東北電力女川第2原発が新規制基準に適合すると認める審査書を正式決定した。2011年3月11日に起こった東日本大震災・原発事故から9年が経つが、今なお自主避難者を除いても4万人以上が故郷に帰れず、事故の原因究明も収束の目途もたっていない状況にある。政府の消極的な政策下でも再生エネルギーは増え続け、省エネ・節エネは進行し、新たに原発が稼働していない状況下にあっても電力需給は十分に維持されている。このような中、女川原発2号機を再稼働させるなど論外である。同原発は福島第1原発と同じ沸騰水型原子炉(BWR)である上、東日本大震災において被災した原発である。震災の際に想定を大きく上回る揺れにより、1~3号機の全てが自動停止した上、約13メートルの津波により、外部電源5系統のうち4統が遮断し、原子炉建屋が浸水するなど福島原発と同様の重大事故に進展しかねなかった原発である。東北電力は、津波の想定を引き上げて高い防潮堤をつくるなどの対策を講じたとしているが、地震の時、実際に安全確保の機能が働くかどうかも疑問視されている。

 同原発は牡鹿半島の付け根にあるため、同半島の住民が事故時に安全に避難するのは困難である。30キロ圏内にある美里町議会は昨年12月、事故で「大量の放射性物質が放出されれば、将来にわたり広範囲で深刻な事態が想定」されるなどとして再稼働の中止を求める意見書を可決している。今回の審査書決定の際、規制委員会が行った国民からの意見募集には約1000件の意見が寄せられ、地震・津波対策への批判が相次いだ。

 最近の世論調査でも、原発再稼働に「反対」が「賛成」を大きく上回っており、安倍政権の原発再稼働路線が国民の声に逆らっていることは明白だ。今年1月には広島高裁が、四国電力伊方原発3号機の運転禁止の仮処分決定を出すなど、司法からも規制委員会の審査に疑問が出されている。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療従事者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。東北電力および政府は、原発ゼロを求める国民・地元住民の声に耳を傾け、女川第2原発の再稼働を断念し、今すぐ廃炉にするよう強く求める。

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