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抗議声明 原子力規制委員会の福島第一原発汚染水の海洋放出了承に強く抗議する

2022.06.15

 協会は5月28日、第1153回理事会にて、原子力規制委員会の福島第一原発汚染水の海洋放出了承への抗議声明を採択し、関係機関に送付した。

 原子力規制委員会は5月19日、東京電力福島第一原発から発生している汚染水(ALPS汚染処理水)の海洋放出をめぐる東電の申請を認める審査書案を了承した。東京電力と政府は、『地元住民や漁業関係者の同意なしには海洋投棄は進めない』としてきた、福島の県民や漁業関係者、国民の多くが反対の声を上げる中での、この決定に強く抗議する。
 現在タンクに保管されているALPS汚染処理水の約7割は、処理が不十分でトリチウム以外の放射線物質が基準を超えて含まれている汚染水である。東電はトリチウム以外の放射性物質を基準値以下に引き下げて放出するとしているが、同社はこの真実について新聞で報道されるまで積極的に公表していなかった。万全な対策を謳いながら、柏崎刈羽原発で種々の事故、維持・管理・対策不備を起こし、核物質防備の杜撰・怠慢な対応から、運転禁止命令を受けるなど、住民との約束をことごとく反故にしてきた。東京電力がALPS汚染処理水の再処理を確実に行い、安全に今回の計画を遂行することができる企業だとは到底信じ難い。
 ALPS汚染処理水の処理方法について、政府・東京電力は陸上での保管延長について保管場所の確保が困難であるかのような印象操作を行い、海洋放出の結論ありきで議論を進めてきたが、保管場所の確保は現状それほど困難なものではない。
 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、原子力規制委員会に「人と環境を守る」という使命に従い、健康被害を軽視し、世界中に放射性物質をばらまく懸念のある汚染処理水の海洋放出を認める審査書案の承認の撤回を求める。

以上

2008_02.jpg※原子力規制委員会はALPS汚染処理水の海洋放出についての意見公募を6月17日まで実施している。意見公募は、https://bit.ly/3Mz3wMZもしくは左のQRコードから可能。
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