環境・公害対策部だより
抗議声明 中部電力に浜岡原発3、4号機再稼働 の断念を求める
2026.02.05
協会は1月23日、部長名で下記声明を発表し、関係機関に送付した。
声 明
中部電力に浜岡原発3、4号機再稼働
の断念を求める
兵庫県保険医協会
環境・公害対策部長 森岡 芳雄
中部電力は1月5日、浜岡原発3・4号機の再稼働審査において、新規制基準への適合性判断の根拠となる基準地震動算出において、意図的に過小評価となる手法を用いていたことを明らかにした。
これを受け、原子力規制委員会は1月7日の定例会合で、「安全に直接関わる審査データの捏造であり、明らかな不正行為である」と厳しく批判し、浜岡原発3・4号機の再稼働審査について「信頼が損なわれ、白紙になる」との判断を示した。規制委員長は、今後の検査結果次第では刑事告発も視野に入るとの認識を示しており、本件の重大性は極めて大きい。
浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域の直上に位置し、その耐震安全性の評価には、他の原発以上に厳格で科学的、かつ誠実な検証が求められる。にもかかわらず、事業者が都合のよい数値を選別し、正当なデータであるかのように装って審査を受けていたことは、国民の信頼を根底から裏切る行為であり、断じて許されない。
さらに中部電力の勝野哲会長は1月8日、他の電力会社が引き続き原発再稼働を進められる形にしてほしい、そのためにも中部電力が説明責任を果たすことが重要だと述べた。しかし問われるべきは再稼働の継続ではなく、すべての・原発について、審査データを根本から見直すだけでなく、規制基準の認可に際して、性善説に基づき、設置・運営者である電力事業者からの申請データをうのみにする現在の審査・認可システムそのものを見直すべきである。
中部電力は昨年も、安全対策工事を巡る不適切な精算処理が発覚するなど、不祥事を繰り返してきた。今回の基準地震動データ捏造は、原子力事業者としての安全文化と倫理観の著しい欠如を示しており、原発を運転する資格そのものが厳しく問われなければならない。
東日本大震災に伴う福島第一原発事故から15年近くが経過した現在も、被災地には帰還困難区域が残り、事故原因究明の気運はほとんど消失しており、事故収束の見通しはいまだ立っていない。にもかかわらず、財界と政府が政治主導で再稼働促進を加速し、事業者も経営的観点も相まって、安全性軽視を招いていると考えざるを得ない。
今、電力事業者と政府に求められているのは、危険性を内包し、高濃度放射性廃棄物の最終処分方法すら確立していない原発への依存を続けることではない。原発に頼らない、持続可能で安全なエネルギー政策への転換である。
われわれはいのちと健康を守る医療者として、浜岡原発3・4号機の再稼働断念と、すべての原発の稼働停止および廃炉を強く求める。














