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神戸市中央市民病院跡地売却で「病院可能」 「老朽化」から「活用可能」?

2011.01.25

 神戸市の中央市民病院が7月に新築移転するのに伴い、現病院の跡地をどうするかが問題になっていたが、神戸市は条件付きで土地・建物とも売却するとし、昨年12月に売却先を公募した。移転後の新病院が700床になることから、現病院が有している912床のうち、残る219床を引き続き病床として活用することを売却の条件としている。市は移転理由として施設の老朽化を主張していたが、今回の募集では、病床としての活用は問題なく可能だとしている。協会は、市のこの不可解な見解に対して公開質問状を提出、市からの回答を得たので会員に公開する。協会・神戸支部は今後、跡地での一部病床確保についての要望をまとめて提出することにしている。

協会からの質問と神戸市からの回答

平成22年12月14日
兵庫県保険医協会
理事長 池内 春樹 様

神戸市長 矢田立郎

中央市民病院跡地活用についての公開質問状への回答

 

 前略、貴職におかれましては、ますますご清栄のとととお喜び申し上げます。
 さて、先にお寄せいただいておりました、中央市民病院跡地活用についての公開質問状につきまして回答させていただきます。

 1.現在の中央市民病院は、施設を一部停止するなど方法次第で、現地改修が可能なのでしょうか。可能であれば、その方法を具体的に検討したのでしょうか。
 2.神戸市が現在の市民病院の現地改修はできないとした根拠と、現在、212床の病院として残すことは可能とする根拠をぞれぞれ明らかにしてください。

 以上のお尋ねについては一括してお答えします。
 中央市民病院の移転については、現在の病院施設が設備面で経年劣化が進んでおり全面的な更新が急務であるという状況の中で、昨今の医療技術の進歩や患者ニーズに対応するために、現地改修をするか、移転新築をするかということについて、慎重に検討を進めてきました。
 その結果、救急・高度・急性期医療を担うという中央市民病院としての使命を果たしつつ、現施設を利用しながら現地改修を行うことは、患者さんへの負担が極めて大きく、かつ、長期間にわたることなどから、事実上不可能であると判断したものです。
 具体的には、平成16年11月に策定した「新中央市民病院基本構想」でもお示ししているとおり、低層部の柱間隔の制約や病棟部門の床荷重の制約があるため、診療部門の拡充などに限界があり、病棟のデイルームやリハビリコーナーなどの設置や個室感覚の4床室の実現など機能改善を十分に行うことができません。また、給食や検体などの搬送設備のの改修工事中は、機能を停止して更新を行う必要があるため、人力による搬送に頼らざるをえず、長期間に渡り極めて非効率な運営を余儀なくされます。工事に伴う振動や騒音、粉塵により入院患者・外来患者に長期に渡り迷惑をかけるほか、工事箇所を避けるため患者の動線が複雑になることや、エレベーターの運転の一部停止、駐車場使用の一部制限などの問題が生じます。さらに、工事の振動による精密な検査機器、治療機器への影響も避けられないことによるものであり、今後とも中央市民病院が市の基幹病院として「24時間365日市民の生命と健康を守る」という使命を果たし続けていくためには、移転新築による抜本的な改善が必要だと判断したものです。
 一方、現中央市民病院のめ跡地活用につきましては、平成18年6月に策定した「新中央市民病院基本計画」に基づき、民間活力の活用を基本としつつ、地域住民をはじめ、市民の健康・福祉・医療の向上に役立つ形で活用し、この施設が、平成23年7月に開院する新中央市民病院をはじめ、地域の医療機関との間で相互に連携をはかっていくことで、トータルとして「地域医療の充実」や「市民福祉の向上」につなげるべく検討を進めてきたところです。
 現在の病院の建物は、床の積載荷重の関係等で、病棟を別の用途に変更する場合等については、構造補強が必要となることもあります。躯体そのものの耐震性能については、地方独立行政法人神戸市民病院機構が再評価のために行った調査・検討によれば、①阪神・淡路大震災で受けた建築構造への影響はほとんど無い。②耐震安全性については、現行の建築基準法と照らしても適法である。ただし、建物を病院以外の用途に作用する場合は、地下部分の一部で耐震補強が必要となる場合がある。との結果でした。これらのことからも新病院への移転後、施設を一旦、すべて閉鎖し、一定の時間をかけて建物の内外装の改修や、電気・機械設備や屋内配管等を大幅に更新することにより、施設全体を活用ることが可能であると考えております。

 3.今回の公募は、きわめて短期間のスケジュールとなっており、いわゆる出来レースではないかとの疑いがあります。公募計画を決定した機関と日時を明らかにしてください。また、なぜ発表から申請受寸最終日まで、わずか19日間となっているのでしょうか。その理由を明らかにしてください。

 本件以降のお尋ねの件につきましては、資産を保有し、当事業を所管しております、地方独立行政法人神戸市民病院機構に確認を求めたところ、以下の報告を受けております。
 なお、この件に関するお問い合わせば、地方独立行政法人神戸市民病院機構新中央市民病院整備室(℡078―940―0160)へお願いいたします。
【地方独立行政法人神戸市民病院機構(以下、「機構」という。)からの報告】
 まず、スケジュ―ルにつきましては、神戸市や機構等で実施している他のプロポーザルの事例なども踏まえたうえで、適切に設定しております。
 例えば、募集要項の配布開始(平成22念11月26日)から提案書の提出締切り(平成23年2月8日)まで、約2か月半の期間を設けており、「きわめて短期間」ということにはならないと考えております。なお、「発表から申請受付日まで19日間」ということについては、あくまでも参加を希望される事業者の方に、「当プロポーザルに参加する」という意思表示を行っていただくとともに、参加に際して必要となる資格審査を申請していただくための期間であり、機構における他の入札等の事例に照らしても標準的な期間を設定しております。
 また、「出来レースではないか」という点につきましては、そのような事実は一切ございません。
 次に、公募計画を決定した期間と日時についてのお尋ねですが、現病院資産の跡地の資産活用につきましては、これまで機構において平成23年7月の新病院への機能移転後、できるだけすみやかに活用が行えるよう、その時期や方法等を含め慎重に検討を進めてきたところです。
 今回のプロポーザルの実施に至る意思決定の過程といたしましては、まず、機構においてプロポーザルの実施方針を決定し、あわせて募集要項等の詳細について案を作成のうえ、事業者を選定するため設置した「神戸市立医療センター中央市民病院跡地活用事業者選定委員会」における審査基準等の審議を経て、平成22年11月26日から募集を開始したものです。

 4.プロポーザル募集要項では最低売却価格が明示されていません。申請後の説明会で発表するとしているのはなぜでしょうか。

【機構からの報告】
 売却価格の設定にあたっては、これまで機構において、不動産鑑定士等の専門家の意見を聞きながら、昨今の地価変動やさまざまな市場価格の形成要因を考慮しつつ、一方では、医療関係者等各方面からの情報収集を行いながら、慎重に検討を行ってきました。
 今回のプロポーザルにおいては、環境面の配慮や地域まちづくりとの調和といった観点から、「現在の建物を取り壊すことなく、事業者が改修を実施し、事業開始後、少なくとも10年間は活用すること」を義務づけていることや用途について一定の制約を課していること、また、全体のべ床面積が約7万2千㎡という大規模な施設であり、かつこの建物が「病院」という特殊な用途での利用を目的に建築された建物であることなどを踏まえると、まずは、事業者に、本プロポーザルに参加したいという意向を示していただくことが重要であると考えています。
 また、現病院施設は現在も日々診療を行っており、セキュリティ確保の面からも施設に関する各種情報を提供するにあたり、参加の意志及び資格を確認させていただいたうえで、参加を希望される事業者に対して最低売却価格を含めこれらの情報をお示しすべきであると考えており、平成22年12月12日に予定している、プロポーザル参加者への「現地説明会」においてお知らせすることとしています。

 5.募集要項では、10年間は病院棟の機能を維持することを条件にしていますが、10年後であれば、事業者が使途を変更し、「病院」を廃止することは可能なのでしょうか。

【機構からの報告】
 今回のプロポーザルでは、不動産取引における法令上の制限なども踏まえ、「少なくとも10年間は安定的、継続的に医療提供を行う計画を含めること」を提案の条件とさせていただいているところですが、機構としては、できれば10年間といわず、医療機能を含め、将来にわたって継続的に現病院資産を活用していただきたいと願っております。
 今後、事業者を選定していくにあたり、事業の安定性、継続性が担保できるよう、十分に見極めていきたいと考えております。

神戸市保健福祉局総務部計画調整課
℡078―322―6743

地方独立行政法人神戸市民病院機構新中央市民病院整備室
℡078―940―0160
 

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