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兵庫県 こども病院ポーアイ移転計画を発表 大災害"影響の恐れ低い" 〝阪神・淡路〟〝東日本〟の教訓みられず

2012.03.05

 兵庫県は2月16日、県立こども病院について、ポートアイランドの神戸中央市民病院隣接地への移転計画を正式に発表した。医療関係者や住民が持つ懸念に応えないまま、津波や液状化など大災害のリスクについて「恐れは低い」としている。協会は、同一機能の拠点病院を1カ所に、しかも臨海地に整備することはリスク管理に反するものとして県知事あてに請願署名を提出するなど、引き続き計画の見直しを求めていくことにしている。

 県は2015年度中のオープンをめざし、12年度予算案に「基本設計・実施設計」費5840万円を盛り込んだ。
 県が発表した「県立こども病院建替整備基本計画」によると、新病院は延床面積3万5千平方メートルで病床数は現在と同じ290床。候補地は、(1)現地、(2)ポートアイランドⅡ期地、(3)神戸市西区の神戸テクノロジスティックパーク、(4)神戸市北区惣山町の4カ所で、比較検討の結果、ポートアイランドに選定したとしている。
 県がまとめた「整備候補地の比較」によれば、4カ所のうち、面積は現地が3万1千平方メートルでもっとも広く、ポーアイは2万6千平方メートルで、現地比で84%へと狭くなる。
 用途地域・周辺環境については、現地は第一種住居地域で「閑静な住宅街」、ポーアイは商業地域の「緑地帯」。良好な療養環境とされているが、ポーアイではその緑地帯をつぶし、病院を建築する計画となっている。
 ポートアイランドの「リスク状況」について、津波・液状化・アクセス・バイオハザードについて検討されているが、アクセスについて「兵庫県南部地震発生時に広範囲で液状化が発生したが、主な道路の車での通行に支障はなかった」ことなどから、「大規模災害の影響がある恐れは低い」と結論づけられており、神戸市立中央市民病院が阪神・淡路大震災で機能しなかったことの教訓は生かされていない。
 協会は、災害時に機能を発揮すべき公的医療機関を中央市民病院とともに1カ所に隣接させること自体がリスク管理に反するとしているが、こうした観点からのリスク把握は考慮さえされていないのが特徴となっている。

こども病院ポーアイ移転 佐用町が見直し意見表明
 こども病院のポーアイ移転には、播磨地域からの不安も高まっており、佐用町からは2月8日、移転計画の見直しを求める意見書が県に提出されている。
 県医師会をはじめ、神戸市医師会、専門医会や患者団体などからも、ポーアイ移転への疑問や反対意見が相次いでいる。
 事業計画を承認した県の「総合事業等審査会」は、審査結果について6項目の留意点をつけた。
 内容は「中央市民病院と連携することの効果について県民に十分説明すること」「災害対策が講じられていることを県民に十分説明すること」「災害発生時にも病院機能が発揮できるよう病院の危機管理体制を構築すること」「財政負担、長期的な事業収支等について県民の十分な理解が得られるよう明確で丁寧な説明に努めること」などである。
 これらは、県民・医療界の合意が得られていないことを反映したものだが、医療団体や関係自治体に「十分な説明」が必要と考えるのであれば、県自身がまず、阪神・淡路大震災、東日本大震災の教訓を示すべきであろう。

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