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主張 「選択療養」の名で混合診療を解禁してはならない

2014.04.25

規制改革会議が、現在の保険外併用療養費制度(容認された混合診療)に「選択療養(仮称)」を加えることを提案した。この制度は、(1)患者の治療選択に必要な情報を医師から十分に提供され書面で確認できる、(2)医師のモラルハザードが防止される−の2点を満たす場合に、「個別に」保険診療との併用を認める仕組みである。
 保険診療においても当然のルールを、今さら強調するのは、「選択療養」において、ルール違反が横行する危険性を察知しているからに他ならない。
 また、「個々の患者の個別ニーズにその都度即応する」「対象を予めリスト化しない」「必ずしも保険収載を前提としない」とも提案されている。もちろん選択療養部分は自費である。つまり、この制度は混合診療の原則解禁、野放しの「規制緩和」なのである。
 さて、個々の医療はその「有効性」と「安全性」の審査を経て保険診療に導入され、公定価格が決定される。「いつでも、どこでも、だれでも」が、質の高い安全な医療を受けるためのシステムである。そして、導入後も支払機関や保険者がチェックを行っている。
 「選択療養」が、第三者の審査・評価とチェックを外した「自由価格」ということは、医療が一般的な「商売」になるということだ。
 では、「選択療養=(混合診療)」は「有効性」と「安全性」の観点から、どのような「商売」になるのだろうか。
 「無効」で「危険」な場合は論外で、「有効」だが「危険」な組み合わせも広がるべきではない。となると「無効」だが「安全」な治療が残ることになる。しかし、その拡大は一歩間違えば「詐欺」になりかねない。
 混合診療拡大に残された最後の道は、「有効」で「安全」な治療を保険外に留め置く方向である。
 保険診療は最低限の医療内容とし、それ以外は「自由価格」を負担できる患者層だけへの「格差医療」とする。ドラッグ・ラグ解消どころか、永遠の医療・ラグとなる危険性すらある。
 もし、今では標準的な「腹腔鏡手術」が、先進医療=混合診療に留め置かれていたら、低所得者は大きな開腹手術創の痛みに耐えつつ、早期退院の憂き目にあっていただろう。規制改革派のいう「国民」「患者」には低所得者層は含まれていない。
 混合診療全面解禁の動きは、ゾンビのように何回も表れるが、それは格差医療の容認と拡大、保険適用範囲の縮小であり、国民皆保険制度崩壊への道である。

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