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2014年会員意見実態調査結果 1混合診療・社会保障財源 混合診療の解禁反対多数

2014.09.05

 協会は6月に実施した2014年会員意見実態調査の結果をまとめた。政府が進める選択療養制度(現・患者申出療養制度)に「反対」が39%で「賛成」23%を上回るなど、国民皆保険を壊し、格差医療をもたらす混合診療の解禁に対し、反対が大きいことが示された。社会保障充実のための財源については、国が責任を持つとともに大企業も社会的責任を果たすべきとの考えが広がっていることも明らかとなった。今号から分野別に順次、調査結果を紹介する。
 

営利企業の参入大多数が反対

 「選択療養制度(現・患者申出療養制度)について」を医科・歯科別にみると、「反対」は医科47.8%、歯科20.0%、「賛成」は医科19.5%、歯科30.7%となっており(図1)、「混合診療の全面解禁について」は、「反対」が医科58.5%、歯科26.7%、「賛成」が医科11.3%、歯科33.3%、「わからない」が医科25.2%、歯科32.0%である。
 「営利企業の医療機関経営への参入について」では、「反対」が医科80.5%、歯科68.0%、「賛成」が医科5.0%、歯科8.0%であった。
 「患者申出療養」は、これまでの評価療養制度に比べて、安全性・有効性の評価レベルが低く、実施医療機関が大幅に増えるため、混合診療の全面解禁に道を開くものである。混合診療が全面解禁されれば、科学的根拠の乏しい医療が行われる可能性がある。また、自費診療部分の費用を負担できる一部の患者しか制度を利用できず、国民皆保険制度の公平性が損なわれ、医療に格差が持ち込まれることになる。政府はさらなる公的医療費の抑制を、財界は、公的保険給付範囲を縮小し、自由診療の市場を拡大し儲けの対象にすることを狙っている。
 多くの会員が、こうした混合診療の危険性を理解しているものの、「わからない」との回答も少なくなく、医療関係者にさえ詳細を周知することなく拙速に制度を創設しようとする政府の姿勢の問題も明らかになった。
 また、歯科では「わからない」が最多で「反対」は2割にとどまっている。国の低医療費政策のもと、より厳しい医療経営を強いられている歯科では、混合診療解禁による自費部分の拡大を選択する傾向が強いためと考えられる。
 混合診療の全面解禁を許さないためにも、保険のきく範囲を広げるとともに、診療報酬の抜本的引き上げが求められる。

財源は国と大企業の負担で

 「社会保障充実のための財源について」では、「国庫負担を増やす」が53.4%と最も高く、「大企業の負担を増やす」の41.5%が続く(図2)。
 政府は社会保障充実のためという名目でさらなる消費税増税を予定している他、国保の広域化による国庫負担引き下げや社会保障費の自然増抑制を計画しているが、多くの会員はこれに反対し、国に負担を求めている。大企業に応分の負担を求める回答も、半数近くとなっている。非正規・低賃金労働の拡大による内部留保の増大や、政府が法人税の20%台への引き下げを計画している実態が明らかになり、回答に反映されているとみられる。
 国が社会保障充実に責任を持つとともに、大企業も社会的責任を果たすことが求められている。

消費税引き上げ反対が上回る

 「消費税の10%への引き上げについて」は、「反対」39.7%と「賛成」31.6%を上回った(図3)。
 「反対」の理由(複数回答可)としては、「社会保障財源に回らないから」が61.3%と最多で、以下「医療機関の損税が増える」54.8%、「中小企業の経営を圧迫する」48.4%、「景気が悪くなる」41.9%の順に続いた。
 消費税が法人税減税に使われ、社会保障財源に回っていないという協会の主張が広がっている他、医療機関の損税問題や、景気の冷え込みが会員の中で懸念されていることが明らかになった。
 「賛成」の理由(複数回答可)としては、「社会保障財源を増やすため」が75.7%と最多で、以下「財政赤字を解消するため」と「国民全体で負担する公平な税制だから」がともに59.5%と続いた。
 「賛成」「反対」ともに、理由として最も多かったのは社会保障に関する項目だった。社会保障拡充のためには増税はやむを得ないとする会員が多い一方で、増税とともに行われた今回の診療報酬改定が実質マイナスとなったことなどから、増税分は法人税減税や大型公共事業に使われてしまい、社会保障拡充には回さないということも明らかになりつつある。
 「消費税を今後どうするべきか」では、「現状でよい」が26.5%、「税率をもっと引き上げるべき」21.8%、「税率を引き下げるべき」19.2%となった。「現状でよい」「税率をもっと引き上げるべき」が、前回から減少した一方、「税率を引き下げるべき」が13.2ポイント増加し00年以降で最高となった。4月に政府が税率8%への引き上げを強行したことによる損税などの悪影響を受け、減税を求める意見が増加したとみられる。

損税解消は「ゼロ税率」で

 「医療にかかる消費税について」では、「保険診療にゼロ税率を適用して還付するべき」が55.6%で最も高く、「軽減税率で対応するべき」12.4%、「保険診療を課税にして保険者・患者が負担するべき」11.1%、「現状でよい」6.4%、「補助金による還付を行うべき」3.0%となった。
 この間、医療機関の損税解消のための方策として、補助金の還付方式が日歯などから提案されているが、会員の多くは賛同しておらず、ゼロ税率適用が妥当と考えていることが明らかになっている。今後、日医・日歯を中心に医療機関の損税負担の解消策要求を一本化するとしているが、保団連の主張するゼロ税率こそが、医師・歯科医師の望む方策といえる。

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