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政策研究会「消費税増税は本当に必要か」 アメリカ「消費税は輸出企業への補助金」  経済評論家の岩本沙弓氏が語る

2015.03.25

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岩本沙弓氏(右上)が消費税増税が経済に
与える影響などを具体的データを示して語り、
54人が聞き入った

 消費税増税で日本経済はどうなるのか−−。政策部は2月28日、経済評論家で大阪経済大学客員教授の岩本沙弓氏を招き、政策研究会「消費税増税は本当に必要か−アメリカは日本の消費税を許さない」を協会会議室で開催し、54人が参加した。

 外資系金融機関などでトレーディング業務に従事していた経歴を持つ岩本氏は、各種経済指標やアメリカの公文書を紹介しながら、消費税増税が景気に与える影響や消費税に対するアメリカの見方を紹介した。
 アメリカ財務省が毎年発表している「為替報告書」が、日本経済について「大規模な重税負担による経済縮小が起こる」「世界経済のためにも日本は国内需要の増加に取り組むべき」などと、昨年4月の消費税増税が日本経済に悪影響を与えると分析していることを紹介。
 実際の経済指標でも、消費税増税後に実質賃金と設備投資が大幅なマイナスとなっており、日本経済は景気後退局面に入ったという見方もできるとし、政府が景気動向にかかわらず消費税を10%に引き上げるとしている2017年の後には、日本経済は最悪の状況に陥るのではないかと見通しを語った。
 さらに、消費税導入の1989年と5%引き上げの1997年には、大幅な歳出増と歳入減が起こっていることを示し、政府は消費税増税の理由を財政再建のためとしているが、消費税では財政再建できないのは明らかだと指摘。
 財政構造を変えるためには、法人税や所得税も含めた税制の再検討が必要であり、特にグローバル企業の租税回避を規制し課税していくのが国際的な流れで、求められている方向性であるとした。
 さらに、アメリカは消費税を輸出企業への補助金(リベート)であると見ていると公文書を引用しながら解説し、各国が法人税を付加価値税に置き換えた場合、対抗措置をとると述べていることを紹介。消費税導入以降、日本はアメリカから、年次改革要望書や日米経済調和対話などを通じ、規制緩和を要求されつづけてきたが、今後、TPP交渉などを通じ、その圧力がさらに強まることになるのではないかと語った。

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