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インタビュー(3) 診療報酬改定 −入院から在宅へ?− 厳しい基準で歯科点数に差を持ちこむ

2016.04.25

 −今回の改定をどう見られていますか。
 歯科の改定率は、わずかにプラスとされましたが、内容を見ると、ごくたまにしか行わない治療の点数が引き上げられただけという印象です。
 影響が大きいと見ているのは、歯科疾患管理料の算定要件の緩和です。文書提供が必須でなくなりましたが、管理料本体の点数が引き下げられ、医院としてはマイナスが大きいと感じます。さらに当院は院内処方なので、抗生剤などの点数が大きく下がっていて、在庫分は赤字になってしまうなと感じています。
 目玉となる一部の点数だけ、厳しい施設基準を定めて引き上げ、実質マイナス改定にするというのが、政府・厚労省の狙いなのでしょう。
 −「かかりつけ歯科医機能の強化」が打ち出されているようですね。
 確かに、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」という施設基準が新設され、この基準を満たせば同じ治療行為でも点数が大幅に引き上げられることになりました。具体的には、SPT(歯周病安定期治療)の保険点数がほぼ倍のSPTⅡを算定できることになり、新設されたエナメル質初期う蝕へのフッ化物歯面塗布処置も、未届けの場合と同じ治療行為をしても大幅な点数増になります。
 しかしこの基準は、歯科訪問診療やSPTの算定実績、歯科用吸引装置・AED等の設置、歯科衛生士の雇用など、非常にハードルが高く、満たす診療所は県内でも1%以下でしょう。
 「かかりつけ」というのは、近所にあって日常的にかかれるということが大切です。実際、歯科医院のほとんどが地域住民の「かかりつけ医」として診療しているのに、こんなごく一部の診療所しか算定できず、点数に差をつけるような基準はおかしいと思います。
 私の診療所はたまたまこの「か強診」の基準を満たしているのですが、実際にはこの点数を算定するのをためらっています。
 −それはどうしてですか。
 患者さんの自己負担が大きく引き上がるからです。
 保険点数が倍増するということは、その分患者さんの窓口負担も倍増することになります。とくに3割負担の方の負担増はかなりのもので、これでは患者さんにとても説明できませんし、患者さんが受診を控えてしまい、必要な治療・管理が続けられないのではと懸念しています。窓口負担3割は高すぎます。
 −協会では「ストップ!患者負担増」署名に取り組んでいます。
 私の診療所でも窓口に置いて、署名を呼びかけています。患者さんの自己負担を引き下げなければ、診療報酬が上がっても患者さんを苦しめるだけになってしまいます。
 患者負担を引き下げるとともに、一部の医療機関ではなく、歯科医療機関全体の経営改善のため、歯科医療費の総枠拡大を求めていかなければと思います。

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