兵庫県保険医協会

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厚労省に緊急要請 歯科診療報酬改定の不合理是正を

2016.08.05

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厚労省の小椋正之歯科医療管理官(右3人目)らに要請書を手渡す保団連の宇佐美宏歯科代表(左4人目)ら

 保団連は7月13日、厚生労働省に2016年歯科診療報酬改定に伴う歯科緊急要請を行った。協会歯科部会ではこの要請に合わせて不合理是正の会員FAXアンケートを実施し、事務局2人が要請行動に出席して現場の生の声を厚労省に提出した。保団連・協会から宇佐美宏歯科代表をはじめ担当役員と事務局の9人が参加、厚労省から小椋正之歯科医療管理官、小嶺祐子課長補佐ら3人が応対した。

 要請行動では、早急に疑義解釈や記載要領通知の訂正などでの対応を要望する項目や、現時点で取り扱いが不明で現場で混乱が起きている項目など17項目の要請内容に対して、厚労省の小嶺課長補佐が口頭で回答した。その後、兵庫協会歯科会員アンケートで寄せられている率直な声も紹介し、1時間懇談した。
 懇談では、歯科疾患管理料の文書提供加算に係る「初回用」文書様式の患者記入欄の取り扱いについて、「患者本人の記入が良いと考えるが、義務化するものではない」と回答があり、さらに、患者から聞き取った問診内容を文書で情報提供することも妨げないとした。保団連からは、個別指導時などで混乱が起きないよう、各厚生局への周知などもさらに求めた。
 全部金属冠を装着後、2年以内に歯科金属アレルギーを発症し、硬質レジンジャケット冠などを製作した場合の費用が補管に含まれることについては、医科から歯科金属アレルギーの情報提供があれば、算定が可能と考えられることから検討するように要望した。
 いくつかの施設基準にみられる口腔外バキュームの設置要件撤廃の要望について、米国のCDCガイドラインをはじめ、先進諸外国の院内感染対策関連公的ガイドラインには記載は見られないが、口腔外バキュームを施設基準の要件とした根拠に関しての質問に対しては、日本歯科医学会監修の「エビデンスに基づく一般歯科治療における院内感染対策マニュアル」において、口腔外バキュームの使用が推奨されていることをもって必要と考えているとした。
 レセプト摘要欄記載について、暫間固定や歯清など煩雑になった記載要領通知の簡素化を求めたことについては、次回改定に向けての課題としたいとした。
 歯冠補綴時色調採得検査で、技工指示書への写真添付については、現段階では技工指示書にプリントアウトした写真を添付する取り扱いのため、それに加えて補助的にCD−ROMやUSBメモリを提供するのは構わないとの回答だった。

FAXアンケートに寄せられた声届ける

 兵庫協会のアンケートの声から、形成と支台歯形成加算の算定時期で、「ロングブリッジなど、実態として支台歯形成を数回に分けて実施することがあるが、全ての支台歯形成完了時でないと兵庫では審査が通らない」との声について、支台歯形成をした部位ごとに平行性を確認すれば、日を異にしての都度算定が可能なことを確認した。
 「CAD/CAM冠用のセメント料を独自に設定してほしい」との声については、従来のレジンセメントと機能が異なり、価格が高価な商品があるのであれば、次期改定に向けて整理できる可能性はあるなどの回答があった。
 アンケートで多く寄せられた「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の問題については、保団連として別途時間を設けて懇談することにしている。
 

【歯科新点数不合理是正要求・歯科現場からの声】
会員FAXアンケート(6/29〜7/4実施)より抜粋。

◇歯科治療総合医療管理料の施設基準届出要件について、歯科衛生士は非常勤も可能にしてほしい
◇「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(か強診)施設基準要件の撤廃。
・SPTや初期う蝕へのフッ化物塗布など同じ処置内容に点数の格差は不要。
・地域のかかりつけ医として日々診療をしているが、歯科衛生士の確保が難しく要件を満たさない。同じことをしているのに常に低い点数とは納得いかない。
・施設基準のハードルが高すぎる。「かかりつけ」とは患者さんが決めること。
・施設基準を厳しくするのでなく、かかりつけ歯科医機能強化型というのであれば、医科や病院歯科、他職種などとの連携体制のみの要件で初・再診料への加算で良いのでは。
・歯科訪問診療の実績要件を撤廃してほしい。SPT2などと関係ない。
◇「外来環」「か強診」の施設基準にある、口腔外バキュームの設置要件の撤廃。
・医療安全対策にはオートクレーブの設置要件で良いのでは。
◇「歯科訪問診療料の注13に規定する基準の施設基準」届出強制の撤廃。
◇支台歯形成加算について、支台歯の形成を日を異にして行った場合、印象時にまとめて算定するのでなく、個々の平行性が確認できた時点ごとに、例えば、ロングブリッジ等で日を異にして支台歯形成を数歯ずつ分けて行っても診療実態通り算定可に。
◇レセプト摘要欄記載が煩雑になったため簡略化してほしい(Pの暫間固定の外科予定の記載も不要にしてほしい。歯清やF局等で2回目以降は前回の実施月のみで良い)。
◇有床義歯内面適合法の下顎総義歯への軟質材料の適応について、間接法だけでなく直接法も保険算定可能にしてほしい。
◇CAD/CAM冠用のセメント料を独自に設定してほしい。
◇初期う蝕(Ce)病名でも歯科衛生実地指導料の算定を可能にしてほしい。
◇次回は、今回のような煩雑な改定にしないでほしい。もっと患者さんの治療に時間を使いたい。もっと早く改定内容を知らせてほしい。治療に専念できる改定を望む。
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