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九条の会・兵庫県医師の会が市民学習会 白井聡氏 「永続敗戦論」語る

2016.10.05

 九条の会・兵庫県医師の会は9月25日、協会会議室で市民学習会を開催。
 京都精華大学人文学部講師の白井聡氏が「『永続敗戦論』から平和憲法を考える」と題して講演し、医師・歯科医師や医療関係者、市民ら95人が参加した。
 白井氏は、2013年に出版した著書『永続敗戦論−−戦後日本の核心』で、石橋湛山賞、角川財団学芸賞などを受賞しており、講演では、日本は戦後「永続敗戦」の状態にあり、現在の安倍政権もそれを徹底しようとしているなどと語った。

 白井氏は、普天間基地移設問題で日米の意思が衝突し、日本側が敗北したので鳩山由紀夫政権の退陣劇につながったこと、福島第一原発事故で原発推進体制における「無責任の体系」が露呈したこと、この二つの出来事から、「戦後の核心」には「敗戦の否認」があることが見えてきたと考察。日本が第二次世界大戦を始めた責任をとらず、反省もせず、負けたことを認めないことで延々と負け続ける「永続敗戦」の状態が戦後レジームを特徴づけているとした。
 そして、永続敗戦のレジームには、米国が免責・登用した旧支配層を傀儡勢力として活用する「属国化」があり、それは日米合作のプロジェクトであると解説。永続敗戦レジームの二面性として、世界に類を見ない特殊な対米従属と、アジア諸国への高圧的な姿勢があるとした。
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永続敗戦レジームの二面性として対米従属とアジアへの高圧的な姿勢があるという白井氏の講演に聞き入る

 白井氏は、永続敗戦レジームを可能にした条件である冷戦構造は90年代前後には消滅しているにも関わらず、この変化に適応できないエリート層が米国などに国富を売り渡して自己保身をはかっているとした。そして安倍政権が目指す「戦後レジームの脱却」とは結局、「敗戦の否認」の徹底化であるとして、アベノミクスや新安保法制など軍事への傾斜・対米従属のいっそうの強化を進めるものだとした。その集大成が「憲法改正」であり、その実現のため、国家緊急事態条項の追加による部分改憲から自民党改憲草案への全面改憲が狙われているとした。
(次号に感想文掲載予定)

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