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第25回日常診療経験交流会 医・歯・薬連携でより良い医療へ 200人超が参加

2016.11.15

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日々の医療における創意・工夫が報告された分科会

 職種を越えて日常診療での創意・工夫を持ちより、日々の診療をより良いものにしよう−−。協会は10月30日、日常診療経験交流会を神戸市産業振興センターで開催。第25回を迎えた今年は「人生を豊かにする医療へ〜まなび、気づき、そして踏み出す」をメインテーマに、医師、歯科医師、薬剤師、スタッフら208人、プレ企画を含めのべ526人が参加した。参加者は分科会や医科・歯科・薬科交流企画等を通じ、第一線の診療における経験や研究内容を発表しあい、交流を深めた。
(次号に参加記を掲載予定)
 

「フレイル」テーマに医・歯・薬交流企画
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医・歯・薬交流企画でパネリストを務める(右から)八木秀満先生、足立了平先生、森本愛先生

 分科会では「糖尿病栄養指導」「歯科訪問診療はじめの一歩」「鼻出血の応急処置」「診療所のIT化」「当施設での看取りの実際」など、29人がそれぞれの日常診療における気付きや工夫を発表し、他職種と活発に意見交換や情報交換を行った。
 「フレイルと医歯薬連携」と題した医科・歯科・薬科交流企画では、医科から八木秀満先生(尼崎市・八木クリニック)、歯科から足立了平先生(神戸常盤大学短期大学部口腔保健学科教授)、薬科から森本愛先生(宝塚市・たんぽぽ薬局仁川店)が報告し、パネルディスカッションを行った。
 八木先生は、「フレイル」は筋力や心身の活力が低下した虚弱状態を意味し、このフレイル状態を経て徐々に要介護状態になることを紹介。国民は、健康な状態で人生を長く過ごしたいと思っているが、国にはフレイルを予防することで医療・介護費を抑制したいという目論見があるのではないかとした。
 足立先生は、フレイルに至る前に歯周病や歯の喪失から起こる咀嚼機能や嚥下機能の低下といった「オーラルフレイル(口腔虚弱)」が生じていると指摘。口腔機能が低下すると食生活が悪化し、フレイルにつながるとした。医師や薬剤師にも口腔管理の重要性を認識していただき、連携することが大切だと強調。貧困などに左右されず受診できる環境の確保が健康長寿につながるとして、国民皆保険制度の堅持・患者窓口負担軽減を引き続き求めていこうと提起した。
 森本先生は、フレイルを予防するために経腸栄養剤などの医薬品を利用する、飲みやすい薬に変更するなど薬剤の適切な選択をするとともに、薬剤師としてポリファーマシー(多剤併用)にも関与することが重要と指摘。食事や運動療法のアドバイスをして健康サポートに取り組むことが薬剤師の役割ではないかと提起した。
 会場からポリファーマシーの改善にはどうしたらよいかなどについて、質問が次々に出され、活発に意見が交わされた。

並行・プレ企画も

 当日はほかに、救急フェスタ・CPR講習会や、会員の絵画・写真・陶芸作品などが出品された「あなたと私の展示会」、ポスターセッション、医院新聞展示、薬科部企画、東北被災地物産展、県下の特産品抽選会などが並行して開催され、好評を得た。
 会場では、医療改悪案の撤回を求める会員署名への協力が呼びかけられ、30筆が集まった。
 またプレ企画として「熊本震災から4か月〜被災地の医療−生活の課題」「心肺蘇生法(BLS&挿管)実技講習会」などを8月から9月にかけて開催し、好評を得た。

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