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主張 パリ協定採択1年 日本は温暖化対策で世界のリードを

2016.12.15

 地球温暖化を抑制することは、人類社会の切実な課題となっている。温暖化が最悪のケースで進むと、2100年末までに、日本の平均気温が3.5〜6.4度上昇すると予想され、異常気象の続発や海面上昇による海抜0m地帯の水没、熱帯で流行していた感染症の広がりなどが懸念される。
 20年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みを決めた「パリ協定」が、昨年12月に採択された。この協定は、産業革命後の地球の平均気温の上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えるため、今世紀後半の温室効果ガス排出を「実質ゼロ」とすることを求めている。
 この協定の発効には、温室効果ガスの排出量で55%以上を占める55カ国以上の国の批准という条件がある。だが、温暖化への危機意識が国際的に高まり、アメリカ、中国が共同で協定への参加をいち早く表明したことなどを受け、採択から1年も経たない11月4日に発効した。
 一方、世界第5位の温室効果ガス排出大国である日本は批准が遅れ、第1回締約国会議に間に合わなかった。国会でTPP承認法案や年金カット法案など国民生活を危険にさらす法案審議を優先したからである。
 米国次期大統領のトランプ氏は、TPP脱退、パリ協定離脱を主張しており、安倍首相は、TPPに参加するようトランプ氏を説得するなどと報道されているが、説得すべきはTPPではなく、パリ協定についてであろう。経済力も技術力もある日本は、温暖化対策でこそ、世界をリードしていくべきである。
 日本のエネルギー政策は、福島第一原発事故で危険性が証明された原子力と、石炭火力に依存しており、太陽光、風力、地熱など再生可能エネルギーの活用が立ち遅れている。海外に向けても原発と石炭火力の輸出を狙っている。
 石炭火力発電は、温室効果ガスの排出が多い上、大気汚染物質を多数排出し、健康影響への懸念が強い。国際的にも脱石炭火力の動きが進んでいるが、日本では48基もの石炭火発の新増設が予定されており、これがすべて稼働すれば日本の温室効果ガスの排出量は約1割増えるといわれている。
 原発の廃炉費用や事故費用を、送電線の使用量に上乗せし、新電力にも負担させるという案も出ているが論外である。
 いのちと健康をまもる医療者の団体として、原発にも石炭火発にも依存しない、再生可能エネルギー中心のエネルギー政策への転換を日本政府に求める。

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