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主張 国保の都道府県単位化 高すぎる国保保険料の引き下げを

2018.05.25

 国民健康保険を都道府県化する新制度が今年度から始まる。国保の財政運営主体を市町村から都道府県に移すこの制度に沿って、兵庫県下でも、各自治体の「保険料水準」(市町が県に納付する保険料を被保険者数で割った額)が示された。厚生労働省は、新制度への移行を進めるため毎年3400億円を投入するとしているが、私たちが今年行った、国保自治体アンケートでも、41市町のうち10市町が、保険料が「上昇する見込み」と回答している。介護保険料の値上げともあいまって、ダブルパンチである。
 そもそも、新制度は、国と地方の公費支出削減のため、国保保険料の引き上げや、滞納世帯への取り立て強化などを目的としたものである。国は1980年代から国庫支出を縮小し、当時国保会計の約5割あった国庫支出金を約2割にまで削減してきた。そのため市町村国保の財政が悪化し、保険料の引き上げ、滞納の増加、無保険や資格証明書発行増加(正規の保険証の取り上げ)といったいわゆる〝国保問題〟が起こってきたのは周知のことである。国民皆保険制度を支える一つの柱が危機に瀕している原因は国庫負担の削減による高すぎる保険料なのである。
 一方で「払える国保料を」という住民要求に基づき、一般会計からの法定外繰り入れを行い、国保保険料を独自に引き下げる自治体も増えてきた。しかし、新制度では、国は法定外繰り入れを削減・廃止すべきとして、繰り入れの削減や国保料の徴収強化を競わせる「保険者努力支援制度」を設け、国保料の引き上げを誘導している。このような国の意向に沿い、今後さらに、国保料が大幅引き上げされる危険性がある。
 すでに、国保加入者の生活苦は深刻である。年金生活や非正規雇用の低所得者が8割を占め、平均世帯所得は年約112万円(2016年度)と言われている。滞納世帯は全国で290万世帯、県下でも、前述の国保自治体アンケートの集計では18万世帯と、5世帯に1世帯にのぼっている。これ以上の保険料の引き上げは、さらなる無保険者の増大に直結し、医療にかかれず、疾病が重症化し、手遅れとなる人を増やすことが危惧される。国庫支出の抜本的増額と、当面の法定外繰り入れの継続により、国保保険料の引き下げ、また、減免制度の拡大と徹底によって無保険者の解消を求めたい。

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