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患者負担増に「反対」6割 2018年会員意見実態調査 (1)社会保障

2018.10.15

 協会が7月に実施した2018年会員意見実態調査の結果がまとまった。政府が進める「患者窓口負担増」に対して、反対が賛成を大きく上回った。また、社会保障財源をどこに求めるかについては、「大企業に負担を増やす」との回答が最も多くなった。本調査は2年に1度、診療報酬改定の年に、改定の影響や社会保障、政治・経済に対する意見などを調べるために実施しているもの。今号から分野別に順次、調査結果を紹介する。

新専門医制度半数が「分からない」
 協会が反対署名に取り組む「患者窓口負担増」については、「反対」57.4%と、「賛成」9.8%を大きく上回っている(図1)。
 70歳から74歳の窓口負担の1割から2割への引き上げや入院時の食事代の引き上げなど、政府が次々と行う患者窓口負担増に対する会員の反対が強いことが分かる。保団連の受診抑制実態調査などからも、負担増による受診抑制が起こりやすいと言われている歯科では、反対が69.1%と特に多くなっている。
 さらなる負担増計画を進めようとしている政府に対し、協会は現在、「みんなでストップ! 患者負担増」署名運動を行っており、さらに運動を広げていく必要がある。
 「新専門医制度」については、「分からない」が49.6%と最も多く、「反対」が40.8%、「賛成」3.4%と続く。1年遅れ今年4月から開始した新専門医制度だが、制度の内容について十分知られていないことが分かる。
 医科に限ると、制度に「反対」48.7%、「分からない」41.4%、「賛成」1.9%と反対が多くなっている。また、「医療に関して関心のあるもの」についても、医科では「新専門医制度」がトップとなっている。新専門医制度をめぐっては、地方の医師不足の助長、専門医数や標榜科制限との結びつきが危惧されており、直接関わりがある医科では懸念が大きいと考えられる。協会では、情報収集や提供に努めるとともに、これ以上医師の偏在や地域医療の後退を許さないための活動を強めていく。
 「混合診療の全面解禁」についても、「分からない」が35.9%と最も多く、「反対」32.6%、「賛成」26.1%と続いた。14年から「分からない」が増え、「反対」が減少し続けている。
 TPPで混合診療解禁の危険性が強まっていたが、米国の離脱を受け、会員の関心が薄れていると考えられる。しかし、日米二国間での貿易協定交渉が進められており、混合診療解禁の危険性は和らいでいない。引き続きその動向を会員に知らせていくことが求められる。
 医療に関することがらについて関心のあるものを複数回答で尋ねたところ、「地域医療構想や地域包括ケア」が32.2%と最も関心が高く、「新専門医制度」30.2%、「医師の『働き方改革』」28.9%、「医療機関の控除対象外消費税」28.1%、「患者負担増計画」25.3%と続いた。いずれも今後の地域医療に大きく影響する内容であり、さらに情報の収集と提供を続けたい。
社会保障財源 半数が「大企業の負担増やす」
 社会保障充実のための財源について尋ねたところ、「大企業の負担を増やす」が49.4%と最も多く、「国庫負担を増やす」46.0%が続き、「国民の負担を増やす」「個人の努力で補う」との回答は少なかった。「大企業の負担を増やす」の割合は、00年以降最高となり、初めて「国庫負担を増やす」を上回った(図2)。
 安倍政権の下で断続的に法人税が引き下げられ、大企業の内部留保が450兆円を超していることなどを受け、大企業に応分の負担を求める声が強くなっている。

調査の概要 
会員意見の把握のため、診療報酬改定の年に2年に1度定期的に実施。対象は、これまで正会員の10%だったが、今回は20%を無作為抽出した。
■対象と回収状況
医科対象 774   回収 261(33.6%)
歯科対象 380   回収 126(33.1%)
合計対象 1154   回収 387(33.5%)
■調査期間 2018年7月2日〜7月20日

図1 政府が進める患者窓口負担増について
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図2 社会保障充実のための財源について(複数回答可) 
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