兵庫県保険医協会

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沖縄県民投票「埋め立て反対」7割 沖縄協会と共に新基地反対

2019.03.05

沖縄を訪問し支援募金手渡す
仲里尚実沖縄協会会長が講演
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沖縄協会の照屋正信副会長(左)に兵庫協会へ寄せられた支援募金を足立了平副理事長(右)が手渡した

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沖縄協会の仲里会長(左)が基地問題を解説し、沖縄の現状を共有した

 沖縄と連帯して、辺野古新基地建設阻止を−−。辺野古埋め立ての是非を問う県民投票は2月24日に投開票され、「反対」が7割を超え、「新基地建設反対」の圧倒的な民意が示された。兵庫協会は、沖縄協会からの呼びかけに応えて、2月9日の理事会で支援を決定。役員・会員・事務局が現地に入り支援を行うとともに、兵庫保険医新聞上で募金を呼びかけた。投票前日の23日には沖縄協会から仲里尚実会長が来神し、募金と支援のお礼を伝えるとともに、政策研究会「医師から見た戦後の沖縄−命と暮らし、人権−」のテーマで講演。2月17日には、九条の会・兵庫県医師の会が、市民企画「沖縄スパイ戦史上映&三上智恵監督トーク」を開催し、市民とともに基地問題を考えた。 

 2月23日の政策研究会で沖縄協会の仲里会長は、日本国土のわずか0.6%という沖縄県に、在日米軍基地の約7割が押し付けられている現状を語り、その理由として、終戦後に住民を収容所に押し込め、土地を略奪する「銃剣とブルドーザー」により軍事基地が作られたと説明。その後、島ぐるみの闘争により、不可能と言われていた日本本土復帰を果たしたものの、米軍基地はそのままにされている現状を語った。
 仲里会長は、基地撤去がなされない理由として、日本国憲法の上に日米安全保障条約があり、その上には日米地位協定と日米合同委員会が存在していると解説。日米地位協定と日米合同委員会により、辺野古新基地建設などの方針が定められて、沖縄県民の地方自治が奪われていると語った。
 辺野古新基地建設については、国が工事を強行しているが、埋め立て予定地には軟弱地盤が広がっており、国の建設計画は無謀であるとした。
 政策研究会の最後には西山理事長が、協会に寄せられた募金を仲里会長に手渡し、沖縄との連帯を約束した。
 研究会には、医師・歯科医師ら31人が参加した。

九条の会・兵庫県医師の会
沖縄戦から考える民主主義の危機
「沖縄スパイ戦史」上映会に170人

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日本の民主主義が危機だと語る三上智恵監督

 九条の会・兵庫県医師の会は2月17日、市民企画「沖縄スパイ戦史上映&三上智恵監督トーク」を県農業会館で開催。会員や市民ら170人が参加した。
 映画「沖縄スパイ戦史」は第二次世界大戦末期の沖縄戦で、沖縄北部で繰り広げられていたゲリラ戦・スパイ戦の実態に迫ったドキュメンタリー。多くの少年が徴兵された「護郷隊」の存在や、強制移住によるマラリア感染、スパイ容疑での住民虐殺などを、住民の証言や資料から描き、背景には身分を隠して沖縄各地に潜伏していた工作員養成機関「陸軍中野学校」の存在があったことを明らかにする。そして、特定秘密保護法が施行され、自衛隊のミサイルが配備されるなどの現在の日本と当時を重ね合わせている。
 監督の三上智恵氏は、琉球朝日放送でのアナウンサー、ドキュメンタリー番組制作を経てフリーとなり、『標的の村』『戦場ぬ止み』など沖縄をテーマとしたドキュメンタリー映画の制作を続けている。
 三上氏は上映後のトークで、取材時のエピソードや苦労などを語り、「今回の映画で描きたかったのは、日本の民主主義は危機に陥っているということ。これまでの映画上映会で、基地問題や政治に対する意識が高いと思われる人から『沖縄に寄り添わないと』という、沖縄の問題を対岸の火事のように見ている感想が寄せられ、強い危機感を抱いた」と映画制作の動機を説明。沖縄戦で起こったことと、現在の状況を結びつけ、考えてほしいと訴えた。
 高原周治・元兵庫県医師会代議員会議長が司会をつとめ、神戸大学名誉教授の川端眞人先生が開会あいさつ、西山裕康・兵庫県保険医協会理事長が謝辞を述べた。

沖縄県民投票支援活動 [参加記]
街頭へ出て新基地建設反対訴える
伊丹市・歯科  多田 和彦

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那覇空港で沖縄協会の仲里尚実会長(上写真中央)とがっちり握手(左端が筆者)(下)街頭で「新基地建設のための埋め立て反対に○」を訴えた

 辺野古新基地建設のための埋め立ての是非を問う沖縄県民投票にあたり、兵庫協会は、沖縄協会の仲里尚実会長の支援要請に応え、会員へ募金の呼びかけと、役員・事務局派遣を実施。加藤擁一・森岡芳雄・足立了平・川西敏雄各副理事長、多田和彦先生を派遣し、埋め立て反対を呼びかけた。多田和彦先生の参加記を掲載する。

 2月10日、11日と2日間にわたり沖縄県民投票前の大事な時期に、兵庫県保険医協会の一員として、新基地建設反対の運動に参加させていただきました。以前に三上智恵さんの辺野古移設に対する講演を聞いたことがある身として、今回の運動は参加しておくべきだと感じ、メンバーに入れていただきました。
 寒波に見舞われた本土と違い、気候が穏やかな沖縄に到着すると、沖縄県保険医協会会長の仲里尚実先生がお忙しいところわざわざ空港まで出迎えてくださり、われわれと記念写真を撮らせていただきました。
 その後、沖縄民医連の事務所にて辺野古移設反対運動の旗や、プラカード、スピーカーを受け取り、全国から集まった方々と一緒に、街頭にて反対運動に参加しました。反対運動を通して、今回の県民投票は沖縄にとってとても重要であると、県民の方々の思いを感じました。
 ただ、無関心に感じる方ももちろんおられて、五つの市が県民投票に参加する代わりに、投票欄に新しく付けられた「どちらでもない」に○をしてしまう方がどれくらい増えるのだろうか、という不安も感じました(結果的に杞憂に終わりましたが)。
 今回の運動に際して、県外の人間が反対運動していることに対する反発みたいなものは、意外なほど一切受けませんでした。これは、基地問題は沖縄のみの問題でないことを沖縄の方も感じておられるからかもしれません。日本における基地問題という認識が広がっていると感じます。
 雨に打たれたり、日差しが強かったりと、この2日間でややバテましたが、基地問題を争点にした県民投票という歴史的な運動に関わることができ、また、結果としても過半数の反対票が民意として国へのメッセージに形としてできた点、本当によかったです。
 また機会があれば、微力ながら参加したいと思います。

[投稿] 沖縄に基地のない平和を
福島県南相馬市大町病院非常勤看護師  生田チサト

 本紙1月25日付掲載の保団連医療研究フォーラム・公害視察会の参加記を読み、看護師の生田チサト氏(岐阜県高山市在住)から寄せられた投稿を掲載する。生田氏は阪神・淡路大震災の直後、兵庫協会の緊急対策本部に訪問看護ボランティアとして参加し、東日本大震災後には保団連、兵庫協会の紹介で福島県南相馬市大町病院の非常勤看護師として赴任。2週間毎に高山と南相馬を往復して8年目を迎えている。日常診療経験交流会のプレ企画で司会を務めるなど、長年協会活動に協力いただいている。高山市では市の平和都市宣言推進会議の委員を務め、平和への希求をライフワークに取り組まれている。

もう自然を汚すのをやめよう。
どれだけ自然を破壊すれば気が済むのだろう。
美しい沖縄の海に静かに浮かぶ読谷村
夕日の落ちた残照の中で泳いだ海のぬくもりとやさしさ
第二次世界大戦の終結に向かっての非業の舞台となった沖縄、
今、静かに海を見守る摩文仁の丘
海に浮かぶ島々が、美しく静かに平和を奏でる沖縄
辺野古の美しい海を守るのは日本の心
戦後もひたすら日本の平和のために尽くし続けてくれた沖縄
辺野古の美しい海を守ろうと懸命に願い続ける沖縄の心
もう基地から自由に。
美しい平和の日本の象徴としての沖縄、彼らの努力に報おう
もう沖縄に基地はいらない。
他国は今すでに自国を守ることに精一杯。他国の平和を思う心を持つゆとりなどない。
必死に生きている。それが歴史、時の流れ。
自然が猛威を振るう前に、今一度自然のやさしさと力に触れよう。
自然と平和のバリアーで争う心を防護しよう。
沖縄に基地のない平和を。

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