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主張 脱炭素社会の実現へ 環境負荷が大きい石炭火力発電所は停止を

2019.11.25

 「あなたたちを決して許さない」。地球温暖化に抗議するグレタ・トゥンベリさんが、国連「気候行動サミット」で涙ながらに「この危機を止めよう」と訴えた演説に呼応し、世界の若者が立ち上がり、地球温暖化ストップを求める運動を始めている。
 これは世界の平均気温上昇を1.5度に抑える目標を定めた「パリ協定」の枠組みが来年から始まるのを前に、各国の具体的行動の強化を求めるものである。
 しかし、米国のトランプ大統領は、来年の大統領選で石炭業界からの支持を得るため、「パリ協定」からの離脱を正式に発表し、国連に通告した。脱炭素という世界の流れに逆行する政策を進める米国の姿勢は許されない。
 一方、日本も、電力自由化以降、安い電力を求めて、地球温暖化の要因とされるCO2を大量に排出する石炭火力発電所の新設・増設を多数計画している。世界的には天然ガス火発ですら、過渡的なものと位置付けられている。さほど性能的に優れたものでもない石炭火発を「クリーンコール」と称し、積極的に輸出しようとしていることも問題である。
 神戸では、安倍首相の出身企業である神戸製鋼所が、灘区で既設の出力140万kWに加え、新たに出力130万kWもの石炭火発の増設工事を、着々と進めている。
 増設計画では、年間692万トンものCO2を新たに排出する見込みであり、既存の発電所と合せると1482万トンもの排出量となる。石炭火発は天然ガス火発と比較して、発電量1kWあたり2倍以上のCO2を排出し、さらにSOX、NOX、PM2.5等の大気汚染物質、水銀や種々の化学物質を大量に排出する。さらに燃料とする石炭の品質によっていくらでも汚染物質が増えるという点で、最悪の発電様式である。これを150万人都市、神戸の人口密集高濃度大気汚染地域(旧公害指定地域)に増設するというのは許されることではない。
 前環境大臣も今年3月、日本各地の石炭火力発電所建設計画が実現すると、2030年度のCO2削減目標との関係で、約5200万トン超過するおそれがあると指摘している。日本政府は2050年に温室効果ガスを80%削減することを閣議決定しており、今後30年~40年も稼働することが見込まれる石炭火力を現状のまま建設し続けることは極めて不条理である。
 協会は、引き続き地域住民と協力して、環境を破壊し、いのちと健康を脅かす石炭火発の新設・増設の中止と稼働中の石炭火発の漸減、停止を求めていく。省エネ、効率化、多様な自然エネルギーの活用をすすめ、脱原発、脱炭素を実現していく運動に声を上げていこう。

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