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兵庫保険医新聞5月25日号「主張 軍事費を削ってコロナ対策に充てよ」

2020.05.25

 新型コロナウイルスが世界的に猛威をふるっている。5月18日現在で、WHOの発表で、感染者数(確定症例数)461万人、死亡者数31万人を超えている。「医療崩壊」が被害拡大の大きな要因となっている。
 イタリアや英国は、緊縮財政のあおりで病院の集約化を進めた結果、緊急事態に対応できる態勢が損なわれたのが要因とされている。また、皆保険制度のない米国では、経済格差により受診できない貧困層での感染拡大が、蔓延の大きな要因とされている。コロナ危機をきっかけに、医療や社会保障のあり方が、世界的に問われている。日本も他人事ではない。
 注目したいのは、世界で起こっている、「軍事費を削って、コロナ対策に当てよ」という声である。2017年にノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器禁止国際キャンペーン)は、「核兵器への浪費をやめて、医療費にまわせ」という声明を出した。それによると、現在仏英米では、それぞれ年間およそ5千億円~3.8兆円の予算を核兵器の開発・製造に使っており、その金を医療に振り向ければ、10~30万床のベッド、2~15万人の看護師、1~7.5万人の医師を増やせるなどと試算して、コロナ対策に使うべきと呼びかけている。
 国連のグテレス事務総長が3月23日に「コロナに立ち向かうため、世界のあらゆる場所での即時停戦を呼びかける」と訴えたことに対し、4月6日現在、国連加盟の約70カ国が支持を表明している。また、韓国の国会は4月末、コロナ感染拡大に対処する第2次補正予算として、軍事費を9897億ウォン(約850億円)削減し、全世帯に「緊急災害支援金」を支給する財源に充てることなどを決めた。コロナ対策の財源をねん出するために軍事費削減にまで踏み込んだのは、注目すべき動きである。
 一方、日本は史上最大規模に膨らんだ5兆円を超す軍事費に一切手を触れようとしていない。協会政策部では、F35戦闘機やイージス・アショアなどの購入費を医療の拡充に回せば、約5万床の病床と心肺補助システム(ECMO)の整備、10万人の医師養成費に充当できると試算した。4月末にコロナ対策を中心とする第一次補正予算が成立したが、きわめて不十分な内容である。
 緊急事態に対する財源として、不要不急の軍事費の削減を求めるとともに、今回のコロナ禍を世界の軍縮・平和と社会保障の拡充の契機としたい。

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