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尼崎市など5市町で7月から子ども医療費助成制度が拡充
協会と社保協の運動実る

2022.04.15

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▲「尼崎市も無料化を」と社保協で訴える綿谷先生

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▲ラジオで尼崎市のこども医療費助成制度拡充を訴えた高原先生(左)

 こども医療費助成制度が拡充へ--。尼崎市は7月からこども医療費助成を拡充し、市民税非課税世帯の通院の窓口負担を中学3年生まで無料、入院は高校生世代まで所得制限なしで無料とする。協会尼崎支部や尼崎社会保障推進協議会(尼崎社保協)の運動が一部実ったもので、協会は市に対して、さらなる改善を求めていく。

 県内では、市町の努力でこども医療費の無料化が進み、中学3年生までの無料化が実現していないのは、神戸市、尼崎市、伊丹市の3市のみ(三田市と豊岡市は住民税非課税世帯のみ無料)となっていた。
 協会尼崎支部が加盟する尼崎社会保障推進協議会(尼崎社保協)は、中学校卒業まで医療費を無料にすることを求めて署名運動に取り組み、1万5000筆超の署名を市議会に届けてきた。協会尼崎支部では、綿谷茂樹尼崎支部長(尼崎社保協会長)が支部会員に署名への協力を要請する手紙を送り、1000筆の協力を得た。また高原周治支部幹事が、ラジオ関西番組「医療知ろう!」に出演し「コロナ禍で生活が困窮する世帯が増加する中で、すべての子どもたちが必要な医療を受けられるために、今こそ医療費助成の拡大が必要だと切実に思います」と訴えるなど、会員と県民にアピールを続けてきた。
 これを受け尼崎市は、現在1日800円限度や2割負担だった医療費窓口負担を、中3まで市民税非課税世帯は無料とし、市民税所得割額23.5万円未満の世帯は、1日400円・月2回までにする。23.5万円以上の世帯は、現在の3割負担を、1日800円・月2回までとする。入院は、高校卒業まですべての子どもを無料にすることを決めた。
 今回の尼崎市の改善は、協会や尼崎社保協をはじめとする市民の要求が実現したものであるが、無料の範囲は市民税非課税世帯の子ども803人に限定しており、予算額もわずか900万円である。尼崎社保協は、4月以降、子ども医療費の完全無料化実現をめざし、新たな署名運動に取り組むことを決め、4月30日に署名スタート集会を開催する。
伊丹市でも無料化が実現
 現時点で判明している範囲では、7月から伊丹市でも子どもの医療費助成が拡充され、通院での窓口負担無料の対象が就学前から中学卒業までに拡充される。加古川市、たつの市、福崎町では高校3年生まで医療費無料制度が拡充される。
 これにより、県下41市町のうち神戸市を除く40市町に中学卒業までの医療費を無料にする何らかの助成制度が作られたこととなる。しかしながら、尼崎市のほか豊岡市と三田市では、無料の範囲を住民税非課税世帯と限定しており、各自治体ともによりいっそうの改善が求められている。
 本来、医療は国が責任を持つべきで、特に18歳までの子どもの医療費窓口負担は無料にし、安心して子どもを産み育てる社会にして、少子化に歯止めをかけるべきである。
 協会は毎年、県内の福祉医療制度の改善・変更について県下全市町へ調査し、パンフレットやポスターにまとめ、署名活動などを通じて、地域の諸団体とも連携しながら、こども医療費の無料化を訴えてきた。今年も夏頃に新しいパンフレット・ポスターを作成予定。
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