兵庫県保険医協会

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主張 請願署名と統一地方選挙で
こども医療費助成制度のさらなる充実を!

2022.12.15

 新型コロナ禍による一斉休校や緊急事態宣言によって、子どもたちの生活様式が変化した。自宅で過ごす時間が増え、不安やストレスがたまり、就寝時間が遅くなったり、テレビ・ゲーム・スマホを見る時間や間食が増えたりしたことが、子どもたちの心身に悪影響を及ぼしている。歯科健診で受診の必要性を指摘されたにもかかわらず未受診の子どもも少なくない。
 こうした中、子どもたちの健康を守り健やかな成長を保障するために、医療費の窓口負担を軽減し、受診抑制を来さない制度がますます必要となっている。
 協会では、この間毎年、兵庫県内の市町に対しアンケート調査を行い、こども医療費助成制度について調査を行ってきた。調査では、2013年の段階で「中学3年生まで医療費窓口負担が無料」だった市町は20だったが、2022年には40市町まで増えた(所得制限ありも含む)。この動きは全国でも同様で、全国の1718自治体のうち、1521市区町村で所得制限なく、こども医療費助成を行っている。
 こども医療費助成に後ろ向きな自治体では、こども医療費を無料にすると「コンビニ受診が増えて医療費が増える」「モラルハザードが起こる」などの理由で助成を否定する。
 しかし、無料化を実現している千葉県多古町の平山富子町長は千葉県保険医協会のインタビューに答えて、「(こども医療費を無料化しても)医療費の増加はない」と明言している。
 そもそも疾病の早期発見、早期治療の重要性からは、お金の心配なく医療機関が受診できるアクセスの良さを「コンビニ受診」と称して批判することこそ誤りである。また、患者のモラルハザードを理由に窓口負担を正当化する言説があるが、患者負担により経済的に裕福でなければ医療にアクセスできない制度こそ「モラルハザード」であるといわざるを得ない。
 子どもとその保護者は「無料」だからではなく「必要」だから受診するのであり、金銭的なハードルはなくすべきである。
 一方で、自治体の助成制度の内容を比べると、自治体間で大きな格差がある。少子化対策としても子育て家庭の経済的負担の軽減は欠かせない。そのためには、全国知事会が要望しているように、国の責任において全国一律の制度とし、そして負担は無料とすべきである。
 協会では、保団連も参加する「子ども医療全国ネット」の要請に応えて、「国の制度として18歳までの医療費窓口負担を無料に」請願署名に取り組んでいる。
 来年1月に開会する通常国会で提出を予定しているので、ぜひ年内にご協力いただきたい。
 また、4月には統一地方選挙が行われるが、各自治体のこども医療費助成制度をさらに拡充させる絶好の機会である。制度拡充に前向きな首長や議員を当選させるべく、地域で働きかけを強めよう。
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