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第11回新型コロナアンケート結果
「5類」移行でも必要な感染対策は変わらず 引き続き財政措置の維持・拡充を

2023.04.25

 政府は連休明けの5月8日から、新型コロナウイルス感染症の感染症法の分類を「2類」相当から、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変更するとしている。協会は、その際に必要になる医療提供体制などについて会員医療機関の考えを把握し、適切な対応を行政に反映するため「新型コロナウイルスの感染拡大に対する第11回アンケート調査」を実施、4月12日には結果をマスコミに発表した。結果の詳報を掲載する。

現状のままの5類移行賛成・反対が拮抗
 「5類」とする方針について、医科では「賛成」が55.1%、「条件付き賛成」と「反対」を合わせて42.4%で、現状のままでの移行について、賛否が分かれた。なお、発熱等診療・検査医療機関(発熱外来)の指定を受けている医療機関では賛成48.5%に対し、発熱外来の指定を受けていない医療機関では賛成が58.6%と差が見られた(図1)。発熱外来で実際に新型コロナの患者を診察している現場では5類とするのは「条件が必要」という意見や「反対」が多くなっている。
 これまで保健所を中心とした行政が行っていた入院調整を個人的ネットワークに委ねる方向に関しては、医科全体では56.1%が「賛成」だが、発熱外来の指定を受けている医療機関では「賛成」が47.6%、「反対」が49.0%と反対が賛成を上回り(図2)、個人による調整の難しさを訴える意見が多かった。なお、「現在でも保健所が機能していない」といった意見もあり、地域によって行政の調整に差があることが伺えた。
発熱外来指定医療機関7割が現在の体制を継続
 「新型コロナ」が「5類」となった場合の感染疑い患者の対応については、発熱外来を行う診療・検査医療機関のうち「コロナ禍以前の一般的なウイルス感染症と同様の体制で診療する」とした医療機関が22.8%に対し、69.4%の医療機関が現在の発熱外来での対応を継続すると答えた(図3)。
 発熱等診療・検査医療機関の指定を受けていない医療機関で新たに診療を行うとの内容の回答をした医療機関は52.8%で、政府が目標としているインフルエンザ並みの診療体制には及ばないことが明らかになった。
 病床確保料や発熱外来への補助金についての考えを問う質問には、「発熱外来対策を継続するのだから補助も必要」と言った意見が寄せられた。補助金は「徐々に廃止すべき」と答えた医療機関でも、「補助金でなく平時の診療報酬で経営が成り立つような体制が必要」など、診療報酬自体の引き上げを求める意見が目立った。歯科では、感染対策の診療報酬をどうすべきかと尋ねたところ、約5割の医療機関が「初・再診料」の大幅引き上げ、外来診療環境体制加算の引き上げが必要と答えた。医療機関の感染対策にかかる負担はこれまでと同様であり、協会は引き続き医療機関への財政措置の維持・拡充を求めていく。
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