兵庫県保険医協会

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街頭宣伝・国会などでアピール 声広がり全国で署名6万5千筆超に 〝保険証廃止〟は撤回しかない

2023.05.15

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協会役員の呼びかけに多数の市民が立ち止まり署名に応じた(4月22日)

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全国の医師・歯科医師が国会でアピール(4月27日)

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オン資システムは違憲と訴える訴訟の集会(4月27日)

 来年10月に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードによる資格確認を原則とする法案は4月27日に衆議院本会議で可決され、参議院に送られた。協会・保団連は、国民皆保険制度の受療権を保障している保険証を廃止し、取得が任意のマイナンバーカードを強制することは問題であるとして、運動を強めている。兵庫協会は4月22日、元町・大丸前で街頭宣伝を実施し、市民に「健康保険証を廃止しないことを求める請願署名」への協力を呼びかけた。署名は5月12日までに兵庫で1463筆、全国で6万5千筆超が集まっている。4月27日には保団連などが国会内で保険証廃止・オンライン資格確認義務化撤回を求めて集会を開催し、全国から600人超が参加。兵庫協会からも役員が参加した。同日には省庁交渉も実施した。

 4月22日の街頭宣伝には、西山裕康理事長、白岩一心・口分田真両副理事長が参加。西山理事長はマイクを握り、「狙われているのはみなさんの個人情報だ。マイナンバーカードの発行は任意のはずで、このような形で事実上強制することはあってはならない」と訴えた。
 訴えを聞いた市民は「マイナンバーカードはあまり持ち歩きたくない」「医師の方々がこういうことに取り組んでくれていて心強い」などと続々と署名し、わずか30分で32筆が集まった。「周りの人に広げたい」と署名用紙を持ち帰る人もいた。
 4月27日の保団連主催の国会内集会には、経済ジャーナリストの荻原博子氏も参加し、医療情報の重要性と情報漏洩の危険性などを訴えた。
 また、同日には東京協会主催で「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」第二次訴訟原告団結成集会も開催され、訴訟を通じてオンライン資格確認システム義務化は違憲・違法であると確認しようと訴えられた。
4・27省庁交渉
オンライン資格確認・請求の義務化撤回
インボイス制度の中止求める
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厚労省(左手前)にオンライン資格確認の問題点を指摘する森岡副理事長(右奥)

 兵庫協会は4月27日、省庁交渉を実施。森岡芳雄副理事長がオンライン資格確認義務化・保険証廃止の撤回を求めるとともに、会員から寄せられた制度の改善などを要望した。新規開業の際、業者都合でオンライン資格確認システムが導入できない場合は猶予措置の対象となること、システムを導入したが病気によって閉院した場合、カードリーダーや補助金は返還の対象とならないことなどを、厚労省の保険局・医政局等に確認した。
 また、10月から実施されようとしている消費税のインボイス制度をめぐって、一部自治体がワクチン接種や特定健診の委託業務について、インボイスを求めていることについて不適切であると、総務省自治税務局都道府県税課に確認した。
オンライン資格確認
新規開業も猶予可能
 オンライン資格確認導入の原則義務化について、開業予定の医療機関から「開業のために準備を行っているが、NTT西日本やベンダーが繁忙で、システムの導入が開業に間に合わない」「早めに準備をしようとしても、そもそも医療機関コードが発行されない」等の問い合わせが増えていることを受け、協会が対応をただしたところ、厚労省は、医療機関に責がない場合については、「経過措置の猶予届出」の「(6)その他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局」として届け出てほしい、猶予届出はポータルサイトから現在も提出可能である、と回答。協会は、情報の周知を求めた。
 また、事務連絡で、原則義務化の対象であって、オンライン資格確認未導入の保険医療機関等を対象として「集団指導(Eラーニング方式)を実施する」とされていることに関して、集団指導の内容と「未導入保険医療機関等」の数を問うたが、厚労省は猶予届出を精査中であり、「未導入保険医療機関等」の数も、集団指導の内容も現時点では分からないとした。
病気での閉院
補助金返還は不要
 ポータルサイトでは、「災害若しくは火災以外を原因とする顔認証付きカードリーダー等の処分は、すべて災害若しくは火災以外を原因とする廃棄となり、返納金の対象となることがあります」とされているため、顔認証付きカードリーダーや補助金で購入した資格確認用端末の機器等の減価償却期間内に、病気で閉院した場合に、カードリーダーの代金の負担や補助金の返還は生じるのかとの協会の質問に対して、厚労省は、「返納金の対象とならない場合は4類型あり、①災害・火災等による消失、②無償譲渡・無償貸与、③建替え、④開設者の死亡や病気によるやむを得ない廃業の4つ」であると回答し、病気による閉院の場合も、補助金等の返還は必要なく、支払基金へ申請してほしいとの見解を示した。
オンライン請求
実質義務化は問題
 社会保障審議会医療保険部会で示された「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ(案)」で、「光ディスク等請求機関は...令和6年9月末までに、原則オンライン請求に移行する」と、オンライン請求の実質的な義務化が進められようとしている。
 このことに関し、「光ディスク等請求を続ける機関には、移行計画の提出を求め、1年単位の経過的な取扱いとする」とあるが「光ディスク等請求を続ける機関」に制限や要件を設けるのか協会は問うたが、厚労省は「現在、議論を進めている状況」で「年度内に省令改正を行う予定である」などと回答。レセコンの新規導入については、医療情報化支援基金による補助金を準備しているとした。
「資格確認書」
自治体の運用尊重
 現在、国会で審議中の「マイナンバー法等の一部改正法案」で、「健康保険証の廃止に伴い、短期被保険者証の仕組みは廃止」し、「被保険者資格証明書の交付に代えて、特別療養費の支給に変更する旨の事前通知を行う規定を整備」とされていることに関し、現在、資格証明書を発行していない自治体もあるが、そうした取り扱いも認められるのか問うたところ、これまで同様、保険料の納付に資する取組や特別の事情の有無などを自治体が把握した上で、保険証の期限を決めることができると回答があった。
自治体のワクチン委託
インボイスは不要
 消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)に関して、ワクチン接種の委託業務について、自治体が医療機関にインボイスを求め、発行できなければ委託料を減額するとする相談が協会に寄せられている。
 これに関して、ワクチン接種の委託事業は最終消費者が自治体となる上、自治体の一般会計は消費税の申告義務がなく、インボイスの発行を求める必要はないのではないかと確認したところ、総務省は、一般論としてその通りで、不適切事例があれば総務省からも自治体に聞き取りを行いたいと回答した。
※自治体から、ワクチン接種業務などに関して、インボイスを求められた事例がありましたら、協会事務局(☎078―393―1807)までお寄せください。
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