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オンライン請求「義務化」医療機関に多大な負担
撤回求め会員署名・意見提出

2023.10.25

 厚労省が示しているレセプトオンライン請求「義務化」方針について、協会は撤回を求める会員署名325筆を10月5日に同省へ提出。同日には「義務化」案のパブリックコメント(意見公募)に対して、宮武博明審査対策部長・加藤擁一歯科部会長名で義務化撤回の意見を提出した。

 レセプトの請求方法をオンラインに限定する「義務化」は、医療機関に多大な負担を強いることで地域医療に影響を及ぼすことや、個人情報に関するセキュリティ上の不安等から、多くの医療機関が反対してきた経緯がある。
 2009年に示した義務化方針も厚労省は同年に修正せざるを得なくなっていた。しかし今年3月に同省は、光ディスクや紙レセプトで請求する医療機関等に対し、一部を除き原則として来年9月末までにオンライン請求に移行させる方針を示した。
 再び義務化方針が示されたことに対し協会は、(1)オンライン請求「義務化」方針を撤回すること、(2)紙レセプトの新規適用を認めるとともに、すでに認められている医療機関に改めて届出を行うことを求めないこと、の2点を求め会員署名に取り組んだ。
 署名には、「レセコンを入れ替えなければならず、補助金があってもコストの負担が大きい」(中央区・医科)、「非常に苦痛で、閉院の予定を早めた」(垂水区・医科)、「これ以上、医療機関に負担を強いることはせず、現状を維持できるようにすべき」(姫路市・歯科)、「請求方法の選択肢(光ディスク)は残すべき。何でも画一化はNG」(加古川市・歯科)などの声が寄せられた。
パブコメ 「閉院を後押ししかねない」
 2023年7月末現在、光ディスクや紙レセプトで請求する医療機関数は医科診療所で2割弱(1万6千機関)、歯科医療機関で6割(4万機関)にのぼる。
 パブリックコメントで協会が提出した意見では、「これらの医療機関がオンライン請求に移行しない(できない)場合、保険診療を行ったにもかかわらず診療報酬請求が認められなくなり、請求権の侵害が発生する。また、新たなコスト増等で特に高齢の医師が管理している医療機関の閉院・廃院を後押ししかねない」と強調した。
 近年では支払基金・国保連合会のシステム接続トラブルによりオンライン請求ができなくなる事態も生じており、医療機関経営の土台となる「安全で安定した診療報酬請求」という点でも課題が浮き彫りになっていることや、個人情報に関するセキュリティ上の不安からオンライン請求を実施しない医療機関が存在することも指摘した。

図 厚労省が示したオンライン請求以外の請求方法の今後
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