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「総点検」後も6割以上でトラブル 協会 マイナ保険証トラブル調査

2024.03.05

 マイナ保険証利用率が低下する中、政府は昨年末に「総点検」を終了し、保険証廃止方針を堅持することを決めた。こうした状況を受け、協会・保団連は会員医療機関を対象に、マイナンバーカードによる保険資格確認に伴うトラブルについてアンケートを実施。748件(14.1%)の回答があり、「総点検」終了後も6割以上の医療機関でトラブルを経験しており、8割が「現行の保険証を残すべき」と回答、「延期すべき」も含めれば9割以上が今年の現行保険証廃止に反対していることがわかった。
(次号に結果の詳細を掲載)

 アンケートは昨年12月22日~今年1月31日にかけて実施。
 「この1カ月でマイナ保険証を利用される患者さんはどれくらいいましたか?」との質問に対し、「ほぼいない」「5%未満」との回答が全体の約8割に達しており、政府が公表しているマイナ保険証の利用率の低さを裏付けるものとなっている。
 政府は「今回総点検をやって、少なくともこれまでのミスをゼロにした」「(紐付け誤りの件数は)極めて少なかった」「不安を払拭するための措置を...執りましたので、(現行の健康保険証を)廃止いたします」(2023年12月12日 河野太郎デジタル大臣記者会見)としているが、実際には、「総点検」後も61%の医療機関でトラブルが起こっている(図1)。
 トラブルの内容では、資格があるにもかかわらず「無効」とされるケースが多いことがわかった他、報告数は少ないものの、他人の情報との紐づけ、間違った医療情報との紐づけとの回答もあった。
 具体的には、「髙など(異体字)が●で表記される」「レセコンに『資格無効』と表示されたが本人に確認し、保険証も見せていただいたところ、実際は有効であった」「負担割合がオンラインでは1割、保険証では2割」「発熱外来で入口を分けているため、カードリーダーが1台だと使用できない」「車いすの患者さんが利用できない」「通信エラーが多い。へき地はムリです」など多数の実例が寄せられた。
 トラブルへの対応方法について78.8%が「その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認した」と回答。保険証の廃止によって資格確認等が現在より困難になると考えられる。
 政府は、マイナンバーカードのデータを読み取り、オンラインで資格確認を行うので、待ち時間が少なくスムーズになると宣伝しているが、健康保険証が廃止された場合の受付業務について「今も混乱しており、廃止後は受付業務に忙殺される」との回答が6割となった。
 このように多くのトラブルから、8割の医療機関が、「保険証は残すべき」と回答し、「延期すべき」も含めれば9割以上の医療機関が、今年秋の現行保険証廃止に反対している(図2)。
 政府は、医療現場の意見を聞き、保険証廃止の中止・延期を行うべきである。

図1 昨年10月1日以降のマイナ保険証、オンライン資格確認に関するトラブルを6割が経験
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図2 健康保険証の2024年秋廃止について8割が「保険証残すべき」
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