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主張 なぜイスラエルは虐殺を続けるのか?

2025.09.25

ガザのナセル病院で報道関係者や医療従事者らが殺害された。戦車からの砲撃で報道関係者が殺され、被害者を助けようと救急隊などが集まったところを再び砲撃する時間差攻撃であった。
 ガザへの食料搬入が禁止され、子どもたちが飢えて亡くなっている。アメリカとイスラエルが支援する団体に食料を配らせ、集まった人たちをイスラエル軍が銃撃している。
 イスラエル国内で、人道に反する罪や戦争犯罪に反対する声がほとんどないのはなぜだろうか。
 ユダヤ教徒は唯一の神を信じ救世主が現れるのを待つ人々である。パレスチナのユダヤ教徒もキリスト教やイスラム教と共存し、救世主を待ちつつ生きてきた。
 一方、ヨーロッパに住みユダヤ教を受け入れた人たちも、ヨーロッパに国家が成立する中で、国民としてそれぞれの国家に尽くし共存を図った。しかしロシアでは、皇帝の暗殺をきっかけにポグロム(破滅)がおこり、隣人に殺される恐怖にさらされた。フランスでは軍の将校であったドレフュスが情報漏洩の濡れ衣を着せされ終身刑となり、国家に尽くしても報われない絶望が広がった。
 このような中で、ヨーロッパのユダヤ教徒の中に、自分たちの国家を持つというシオニズム運動がおこった。当初はヨーロッパの植民地のアフリカも検討されたが、結局イギリスが手放したパレスチナに国家をつくることになった。
 ドイツでナチスによるホロコーストが起こると、戦わずに殺されたと犠牲者を蔑んだシオニストだったが、ヨーロッパ諸国が生存者の帰還を忌避し世界で同情がおこるのを見て、ホロコーストの犠牲者のようにふるまうと共に、生存者をパレスチナへ入植させた。
 このようにして他者との共存を否定し暴力を信じるイスラエルという国家ができあがった。ユダヤ教徒が信じている唯一の神と救世主は、シオニストにとってイスラエルという国家とイスラエル軍という暴力に置き換わったように見える。
 このようなイスラエルに私たちは何ができるだろうか?
 日本の防衛省はイスラエル製のドローンの導入を検討している。パレスチナの人々で実験し開発した兵器である。日本の年金はイスラエルの軍事産業にも投資されている。オレンジジュースやグレープフルーツがパレスチナの農民から奪った土地で作られたイスラエル産でないかはラベルを見れば確かめられる。
 できることから始めて、イスラエルに虐殺されるパレスチナの人々を助けたい。

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