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<ご案内>6月歯科定例研究会「矯正治療の失敗例から学ぶ」

2013.04.27

<歯科定例研究会のご案内>
「矯正治療の失敗例から学ぶ」

日 時  日(日)14時~17時 
会 場  兵庫県保険医協会会議室(神戸フコク生命海岸通ビル5階)
講 師  (医)歯科一番町・SAS矯正歯科センター(仙台市)  菅原 準二 先生
定 員  120人(事前申込順)   
 
 
 失敗症例はクローゼット・ケースとも称されるように、学会などで論議の対象となることは極めて稀であり、それを語ることはむしろタブー視されてきた。ところが、近年、口腔内に絶対的な固定源を設けて歯を予知的に移動することが可能なインプラント矯正が実用化されたことに伴い、それまで対応がきわめて困難であった失敗症例を確実に救済することができるようになった。成功事例よりも失敗事例から多くのことを学べることは、あらゆる分野に共通して言えることであるが、矯正治療の失敗例を俎上に乗せることが許される時代になったのではないかと思っている。
 私がこれまで経験した再治療例において見られた主な失敗要因は、成長期においては1)マルチブラケット治療のタイミングが尚早、2)長期アウトカム評価の欠落、3)外科的矯正と矯正との鑑別診断の不備などであった。これらの中でとりわけ共通していたのは、成長期におけるマルチブラケット治療のタイミングが早すぎることであった。マルチブラケット治療によって形成される咬合は、紛れもなく成人の咬合であり、とくに骨格性不調和を伴う患者には多かれ少なかれデンタルコンペンセーションが施されることから、思春期後期における特異的成長(上顎成長が終息して下顎成長のみが続く)に適応できず、再発や咬合変化を招いたのではないかと推察される。演者は、成長期の矯正治療で失敗を避けるためには、 トップダウン的な発想に基づいて、治療のタイミングを思春期前の第1期治療と思春期後期以降の第2期治療とに分離した二段階治療が望ましいと考えている。ただし、骨格性不調和が極めて重度の場合には、矯正治療単独で成功する確率が低いことから、第1期治療を見合わせ、顎成長終息後に外科的矯正あるいはカムフラージュ治療を適用するようにしている。
 一方、成人期における主な失敗要因は、1)治療ゴールが明示されていない、2)難治症例の鑑別診断能力の不足、3)難治症例に対応するための治療メカニクスの不備などであった。とりわけ再治療の対象になった症例では、問題点リストに基づく治療ゴールが設定されていないことがほとんどであったことから、場当たり的な矯正治療が失敗の主要因ではないかと推察された。
 たとえ「治療の質」がエクセレンス・レベルの術者であっても、失敗がある確率で起こる可能性は否定できないことから、再治療への備えが不可欠である。再治療症例では、生物医学的要因に心理社会的要因も加わり、抱えている問題点がより複雑化している場合が多い。その問題解決を確実かつ迅速に図るためには、術者はインプラント矯正や外科的矯正を中心とした再治療メカニクスに関わるスキルを高めるために努力する必要がある。また、そのようなスキルを身につけること自体が、失敗を未然に防ぐことにも通じると考えられる。
 今回の講演では、演者自身の事例も含めて、多くの失敗事例を提示するとともに、当たり外れのない矯正治療を実践するための方策について述べてみたい。【菅原記】

 *協会未入会の先生は、この機会にご入会の上ご参加下さい
  お問い合わせは、協会事務局まで(℡078-393-1809)

  案内チラシはこちら.pdf

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