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薬科部研究会「不眠症の診断と治療のポイント」

2009.08.01

「薬」に帰る前に不眠の実態を知ろう 

協会薬科部は、8月1日兵庫県農業会館で研究会「不眠症の診断と治療のポイント」を、大阪回生病院の谷口充孝先生を講師に開催し、医師・薬剤師ら150人が参加した。参加者からの感想文を紹介する。

  

 眠れないと訴える患者は多い。ちなみに7月に受けた処方箋中16%に不眠に関する薬剤の記載があった。「眠れる薬をのんでも眠れない」と不満の声もよく耳にする。睡眠薬は多くの薬剤師にとって悩ましい薬である。
  恒例となった8月の薬科部研究会。テーマは不眠症。睡眠外来での経験が深い専門医から学びたいと150人が参加した。
  冒頭「今日はこの後花火鑑賞会があると聞き、少し楽な気持ちです」とユーモアあふれるあいさつをいただき、薬剤師が知っておくべき不眠の要因と評価から講演ははじまった。
  睡眠時間を削って有効に使えば、もう少しましな人生を送れると常々思っていたが、睡眠不足は多くの疾患につながり生活習慣病を悪化させる。
  情動記憶を単純な記憶へと変えてくれるのも睡眠の働きとお聞きした。そういえば「風と共に去りぬ」のラストシーン、かのスカーレットが大地の土を握りしめ「明日考えよう」と叫んでいた...。
  不眠を訴える高齢者が多いのは当然で、加齢と共に睡眠時間もその質も低下する。睡眠効率を考えて臥床時間を短くすることがポイントで、眠りたいからと眠剤をのんで早くから床につくのはまちがいと知った。家族のライフスタイルが夜型になり良眠が得られない環境で、薬だけに頼ろうとすることも「薬が効かない」原因かもしれない。レストレスレッグズ症候群で、抗パ薬が適応外処方されることも不勉強で知らなかった。
  マスコミでも取りあげられている閉塞性睡眠時無呼吸症候群についても学んだ。抗うつ剤や非定型抗精神病薬、抗ヒ剤等が処方されることも経験するが、副作用の発現に注意が必要で、薬剤師の力のみせどころかもしれない。
  質疑応答も活発で花火の時間が迫るぎりぎりまでフロアから手が上がっていた。

【尼崎市・薬剤師 滝本 桂子】


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