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阪神・淡路大震災から23年 談話 健康守る地域コミュニティー

2018.01.17

阪神・淡路大震災から23年 談話
健康守る地域コミュニティー
兵庫県保険医協会理事長 西山 裕康

 

 震災23年目を迎えた。当時の自身の年齢を思い返せば、年月の流れにはっとするとともに、記憶には濃淡を感じる。被災者にとっては、忘れられない記憶、忘れたい記憶、忘れたくない記憶があり、その上、現在も日々の生活に大きく傷跡を残す人々が少なくない。

 今、神戸市と西宮市で、借り上げ期間20年を理由に、高齢化した被災者と家族らを「借り上げ公営住宅」から追い出す裁判が闘われている。自治体が被災者を訴えるという異常事態であり、今後も増える可能性がある。

 市側は「個別事情に配慮しないのは恣意的な判断や、強硬な申し出に対する不合理な譲歩を防ぐため」「入居者が形成してきたコミュニティーの実態は抽象的で評価に値しない」と強弁している。行政には「恣意的な判断」や「不合理な譲歩」を排除して、一人ひとりの状況に柔軟に対応する意志と能力はないのだろうか。

 入居者の転居は、主治医、医療スタッフなど医療や介護環境の変化により、慢性疾患の悪化や急激な重症化リスクをもたらす。また、生活環境の変更や地域コミュニティーからの放出は、人とのコミュニケーションの喪失につながり、肉体的、精神的活動を極端に低下させ悪循環を生み出す。これらは、私たちが日々診療する患者さんや自分自身に置き換えてみれば自明であり、抽象的で目に見えなくても、価値があり大事にすべきものの一つである。

 私たちは地域医療を支え、住民の命と健康を守る団体として、兵庫だけでなく、日本全国の被災地・被災者への支援活動を継続していきたい。

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