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阪神・淡路大震災から24年 談話 伝えよう「被災者の住まいは健康の基盤」

2019.01.17

阪神・淡路大震災から24年 談話
伝えよう「被災者の住まいは健康の基盤」
兵庫県保険医協会理事長 西山 裕康

 

 兵庫には縁遠いと思っていた地震、阪神・淡路大震災から24年が経った。穏やかな日常のなかで、変わらない暮らしを送っていた普通の人々が、突然理不尽な不幸に飲み込まれた。家族、住まい、仕事、生活用品、思い出の品さえも奪われ、人生が大きく変わってしまった。悲しみがすべて癒えることはない。
 被災の現実が「他人事」である人々や世代も増えている。当事者には「忘れられないが、思い出したくない」記憶もあるだろう。それらの人々の話に耳を傾け、受けとめ、共感し、想像力を働かせ「自分のこと」としよう。
 被災の程度にも差があり、時間が経つにつれ、防災・減災意識も風化していく。「伝える」ことは、被災者の心に寄り添うだけでなく、明日からの自分自身や家族を守るためでもある。
 災害後の課題も忘れてはならない。直後の救助・救命・避難、ライフラインの確保に始まり、避難所生活、災害関連死・孤独死、仮設住宅・復興住宅問題など山積である。阪神・淡路大震災の教訓により、その後の災害には役立っているが、20年以上が経った今も課題が残されている。神戸市・西宮市での、「借り上げ復興住宅」からの立ち退き裁判である。
 高齢者の「住まい」の転居は、日々過ごす室内環境、買い物や外出など日常風景、友人や近所付き合いといったコミュニティーの変化が、その後の生活に大きな影響を及ぼす。特に医療・介護環境の変化は、心身へのマイナスが多い。
 これらは被災者に限ったことではない。私たちが日々診療する高齢患者さんに置き換えてみれば想像に難くない。「住まい」は健康と暮らしの基盤である。
 昨年は、兵庫県だけでなく、日本中でさまざまな災害が相次いだ。私たちは地域医療を支え、住民の命と健康を守る団体として、日本全国の被災地・被災者へ寄り添い、粘り強く活動を継続していきたい。

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